中村壮秀 代表取締役社長

 世界で約8億人が利用する「フェイスブック」。日本でも、今年1月に登録者数が600万人を超え、昨年3月比265%増と急激な伸びを示している。フェイスブックを活用したプロモーションも活発化する中、ちょっとした問題点が指摘されるようになった。

 実は、フェイスブック上でのプロモーションには、別のサードパーティアプリを利用するようガイドラインに示されている。それを知らずにフェイスブックページ上で公募や懸賞を行うと、規約違反となる。実際にページごと削除されてしまったケースもある。 

企業とユーザーの
エンゲージメントを構築

津下本耕太郎 執行役員兼ソーシャルメディアマーケティング事業本部 本部長

 しかし、企業独自のアプリ開発は、コスト面や不具合が生じた場合のリスクを考えると、なかなか踏み切れない。

 そんな企業に向け、フェイスブック上でのマーケティングやプロモーション活動を支援するのが「モニプラファンアプリ for Facebook」(以下、モニプラ)。提供するアライドアーキテクツの中村壮秀社長は語る。

「従来のプロモーション活動では、企業は広告枠を買い、そこから情報を発信していました。フェイスブックを使ったプロモーションは、人々が会話を楽しむ場に、企業が参加するスタイル。試供品やクーポンの詰まったカゴ、アトラクションを用意することで、自然に人が集まり、会話が促進されたり、体験を共有できるようになります。モニプラは人と企業をつなぐための支援ツールなのです」

「私の春」をテーマにしたタマホームのフォトコンテスト。モニプラが顧客との接点をつくり、顧客との長期的な関係性構築を実現。フェイスブックを介して販売に結び付けた実績を持つ。

 森永製菓、ミニストップ、エイチ・アイ・エスなど、すでに200社以上が導入。アプリの利用ユーザー数も今年3月に15万人を突破した。ソーシャルメディアマーケティング事業本部の津下本耕太郎事業本部長は、モニプラが評価された理由をこう補足する。

「モニプラのアプリをインストールしているユーザーは、会員登録などしなくても、キャンペーンを主催する企業のフェイスブックページに『いいね!』を押して参加登録するだけで応募ができます。そしてそのユーザーの友達へと活動の輪が広がっていく。いわゆるバイラル効果が期待できるのです」

特設サイトと連動して実施され約6000人のファンを獲得したジョニーウォーカーのプレゼントキャンペーン。ジョニーウォーカーのファンからのシェアが相次ぎ、フェイスブック上での話題化を実現した。
※フェイスブックのアカウントでログインしてご覧ください。

 さらに、「いいね!」を押して一度接点ができたユーザーと企業は、キャンペーン後も継続して交流していくことができる。

「長期にわたるエンゲージメントを構築できるのは、ソーシャルメディア・マーケティング最大の強みといえます」と中村社長。今後は、スマートフォンの「チェックイン」との連携や効果測定ツールの提供を予定しているという。ビジネスにおけるソーシャルメディア活用の本質を目指して、進化を続けていくことだろう。