[Special Interview]眼科医療に特化したトータルカンパニーが実現する・高齢化する日本にベストマッチのアイケア

Diamond Online

仕事をする上でも生活の場でも、毎日酷使している目。中高年は言うに及ばず30代でもアイケアは大切だ。この領域では、各種メーカーが医療機器、眼内レンズ、点眼薬、コンタクトレンズなどの製品を提供している。2014年1月にチバビジョンと法人統合した日本アルコンは、これらすべてを含む幅広い製品ポートフォリオを有し、眼科医療に特化したトータルカンパニーとして抜きん出た強みを持つ。患者の生活改善と医療の発展に貢献する同社の戦略を松村誠一郎社長に聞いた。

日本アルコン代表取締役社長 松村誠一郎氏

ありそうでなかったアイケアのトータルカンパニー

——医療機器や眼内レンズ、点眼薬などを有する日本アルコンと、コンタクトレンズメーカーのチバビジョンが2014年1月に統合し、日本アルコンとして新たにスタートしました。医療業界からはどのような反応がありますか。

 眼科領域で、点眼薬やコンタクトレンズ、さらに手術用品まで含めた幅広い製品ポートフォリオを有しているメーカーは当社以外にありません。日本の眼科医療のレベルは国際的にも高く、アイケアのトータルカンパニーとしての眼科医療への貢献を期待されています。

——統合によって、ビジネスの展開はどのように変わりますか。

 製品単体を販売する会社から、アイケアのソリューションを提供する会社へと進化します。例えば白内障では、手術機器やディスポーザブル用品、眼内レンズに至るまでをトータルにサポートします。また、日本において中途失明原因のトップである緑内障では、初期段階の点眼薬からさらなる眼圧降下が必要な場合の配合剤、手術が必要な場合には手術機器というように、製品群の組み合わせによるシナジーを医師や患者さんにお届けします。

——つまり疾病別に横串が通るわけですね。

 コンタクトレンズメーカーだからコンタクト、点眼薬メーカーだから点眼薬というのではなく、患者さんの状態にベストマッチした治療手段、ケア手段を提供していきたい。これは、できるようでいてこれまでできなかったアプローチだと自負しています。

日本の患者さんと医師の高い要求水準を満たし、アジアのスタンダードになる

——アルコングローバルにおける日本の位置づけをお聞かせください。

 アルコンは、世界75カ国で事業を展開し、180の市場に製品を提供しています。世界を5つの地域に分けてマネジメントしていますが、日本は、アジアから独立した単独市場として重視されています。

——販売面ではどうですか。

 市場規模はアメリカに次ぐ2番目で、全世界の売上高の10%を占めています。13年度のグローバルの売上高は約105億ドルですが、日本は約900億円の売上高を達成しています。

——販売面のほかで重視される理由は、やはり高齢化の進行でしょうか。

 眼科領域では、白内障、緑内障、老眼など、加齢と共に罹患率が高まる疾病が少なくありません。白内障は、年間110万件もの手術が行われていますが、これは眼科領域だけでなく、すべての手術の中でトップの件数です。また緑内障は、40歳以上の5%、つまり20人に1人が罹患しているというデータもあり、高齢化に伴って今後も患者数の増加が予想されます。

——研究開発(R&D)で、日本市場はグローバルにどのような影響を与えていますか。

 日本では、眼圧がそれほど高くないのに視野の障害が進む「正常眼圧緑内障」が全体の7割を占めるなど、特有の疾患症状が報告されています。そうした疾病や治療に対する患者さんの感受性は鋭く、医師がそれに応え、医療レベルを上げてきました。動的な視力の判定で緑内障を診断するなどのイノベーションも日本で生まれており、アルコン本社のR&Dは、「なぜ、日本の眼科医は、こういう指摘をするのか」と他市場にはない着眼に驚嘆すると同時に、大きな影響を受けています。品質水準の高い日本におけるベストソリューションは、アジアでもスタンダードとなりつつあり、アルコンのグローバル展開を加速する原動力になっているのです。

——R&Dは、どのような体制でしょうか。

 日本人の開発責任者はアメリカ本社に勤務し、日本では約100人のスタッフが研究開発に従事しています。また、アメリカ本社にも、約20人の日本専任のR&Dスタッフがおり、日本独自のニーズを吸い上げた研究開発を進めています。製造でも一部の製品については、日本専用の製造ラインを導入し、通常よりも高い基準で熟練スタッフが製造を担っています。

  • さまざまな年齢層の眼疾患・アイケアニーズ
お問い合わせ:〒107-0052東京都港区赤坂2-17-7 赤坂溜池タワー日本アルコン株式会社 〈HP〉www.alcon.co.jp
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