【第55回】 2008年12月03日
中国が“日本の地名”を勝手に商標登録
監視強化に四苦八苦する地方自治体
「大変です! 中国で『山梨勝沼』という地名が勝手に商標出願されているらしいですよ」
今年8月、山梨県庁の職員たちは慌てふためいた。
ここ数年、日本の地名が中国で商標登録されているというニュースを受けて、県でも独自に調査してみたところ、山梨県の地名である「山梨勝沼」が、中国で勝手に出願されていることが判明したのだ。商標出願の主はある中国企業、出願の分類はアルコール分類だったという。
「(これはどう見ても)勝沼ワインを念頭に置いた冒認申請(他人が使用している名称などを第3者が出願してしまう)だと思う」
山梨県の横内正明知事は、11月の定例記者会見で危機感を露にした。横内知事は、中国で「山梨勝沼」が公告され次第すぐに異議申し立てができるように、県ワイン酒造組合と連携して準備を進めることを明らかにした。
また、現在中国への輸出を検討している商品のうち、主にワインと果物の2つを、商工労働部と農政部の職員がインターネットで重点的にチェックしていることもつけ加えた。
しかし、中国では年間約70万件以上もの商標が申請されており、膨大な数の出願を県職員がすべて把握してチェックするのはほぼ不可能。そのため、関連費用を新たに来年度予算に盛り込み、中国商標事情に詳しい国際特許事務所などへの調査委託も検討するなど、中国と台湾における出願状況の監視体制を強化して行くという。
海賊版天国の中国でついに
日本の地名まで登録申請続出!
実は、このようなケースは山梨県ばかりではない。中国での相次ぐ商標先取り事件に危機感を抱き、ここに来て中国における出願監視体制の強化に乗り出す地方自治体が増加しているのだ。
模倣品などを含む「海賊版の天国」と言われる中国は、これまでも知的財産権への“無頓着ぶり”でよく知られて来た。遊園地の“偽ミッキーマウス”が日本のワイドショーで報道されたり、日本企業の社名や企業ブランドに似せた名称が国内で日常茶飯に横行するなど、例を挙げればキリがないほどだ。
それに加えて、数年前から「青森」「博多」「加賀」「宇治」「近江」といった、日本の地名としか思えないような名称が中国で実際に申請(一部はすでに登録)されていることが、次々に発覚している。そのため、該当する地方自治体や地名を冠した商品ブランドを持つ事業者は、まさに“困惑しきり”という状況なのである。
Special Topics
バックナンバー
- 第158回
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ (2010年03月18日)
- 第157回
- やはり“持ち直し局面”入りは確実? データと巷説に見る「住宅の本当の買い時」 (2010年03月12日)
- 第156回
- 日本を逆転しても意識は“子ども”のまま? 中国が世界にバラまく「強欲社会主義」 (2010年03月11日)
- 第155回
- やはり風評被害は甚大か? ユーザーから見たトヨタのリコール騒動 (2010年03月05日)
- 第154回
- あなたの会社は大丈夫? 不況で急増する「ブラック企業」の見分け方 (2010年02月26日)
- 第153回
- 中国人観光客が日本で「大量買い」をする理由 (2010年02月25日)
Pick Up
新着トピックス
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- 「稼げるチーム」をつくる!営業マネジャーの教科書
- 叱っても部下が辞めない!? 上司が知っておくべき「叱る技術」
- 評価が上がる!上司を味方にする技術
- 上司に好かれる話の聴き方、嫌われない質問の方法
- 「引きこもり」するオトナたち
- 「引っ込み思案の目立ちたがり屋」が 陥りやすい“社会不安障害”の苦しみ
- inside Enterprise
- キヤノン、日立の液晶合弁 “婚約”すれど“結婚”できぬ理由
- 美人のもと
- 鳩
- 堀尾研仁の“使える!ゴルフ学”
- 【第34回】アマチュアゴルファーのお悩み解決セミナー Lesson34「フェアウェイバンカーからクリーンにボールを打つコツ」
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 総需要の減少をもたらした2つの要因 ──今こそ必要なデフレの経済学(5)

- 「測るための標準」を考える
- 紀元前2500年頃に造られたピラミッドの建築に当たっては、常に同じサイズの石を…

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
この連載について
刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。
アクセスランキング
- 1位
- 今週のキーワード 真壁昭夫
- キム・ヨナやサムスンに“脅威論”が噴出 「日本はもう韓国に勝てない」は本当か?
- 2位
- 「引きこもり」するオトナたち
- 成績優秀なのに仕事ができない “大人の発達障害”急増の真実
- 3位
- はい上がれる人、はい上がれない人――「負け組社員」リベンジの十字路
- “人生の負け組”が勢ぞろい! 負け組リベンジの名門「奇跡の屋台ラーメン」
- 4位
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 県が格安で手に入れた茨城空港 「軍民共有化」というカラクリ
- 5位
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない
Recommend 話題の記事
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- ビジネスモデルの破壊者たち
- 知恵と包丁は使い様!次々と有名シェフを 生み出す料理専門CATV局の躍進
- 今週のキーワード 真壁昭夫
- キム・ヨナやサムスンに“脅威論”が噴出 「日本はもう韓国に勝てない」は本当か?
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 県が格安で手に入れた茨城空港 「軍民共有化」というカラクリ
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 総需要の減少をもたらした2つの要因 ──今こそ必要なデフレの経済学(5)
- 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ
- あなたは保険会社に騙されている!? 「保険見直し」のバイブルが登場

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。




