グーグルがオペレーティングシステム(OS)の開発計画を発表し、アメリカのテクノロジー業界に波風が立っている。
「クロームOS」という名前のこのOSの詳細は、ほとんど分かっていない。インターネットでは「こんなものらしい」という画像まで出回っていたが、これは偽物だということが後で分かった。グーグルCEO(最高経営責任者)のエリック・シュミットは、「OSはやらない方がいいと思ってきたが、ここへ来て開発者たちの熱心さに負けた」といったような言葉を添えてクロームOSの来年後半のローンチを発表したのだが、クロームOS開発はグーグル内部では実はもう随分前から進められていたものらしい。
クロームOSとは何かについては、いつもの通りいろいろな予想が行われているので、そのいくつかを拾ってみよう。
その(1)これはウィンドウズOSでコンピュータ界を牛耳ってきたマイクロソフトへの、真っ正面からの挑戦である。
グーグルの検索エンジンに対して、先だってついに「Bing」という新検索サイトを発表したマイクロソフト。2社の対決はもはや避けられないものになったというのが、この説の背景にある。当初はこの説が有力だったが、真相は違うのではないかという見方がここ数日は増えている。では、それは何かというと……
その(2)インターネット上で作動するOSに違いない。
グーグルは何と言っても「インターネット以降」に生まれた会社だ。検索もインターネット、広告もインターネット、テキスト作成や表計算、そしてメールを行うアプリケーションもすべて「グーグルアップス」としてインターネット上で走らせるものとして開発したではないか。そんなグーグルが今さら、デスクトップやラップトップのハードウェア上で走るようなOSを開発するわけはあるまい。
その(3)「クローム」という名が語る通り、これはブラウザに統合されるOSだ。