悩むビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

仕事や人生に行き詰まったとき、「やりたいこと」や「モチベーションを上げる方法」などを探してしまう人は多い。登録者数74万人のYouTubeチャンネルで人生相談に乗る僧侶・大愚和尚が、人生を好転させる仏教の知慧を授ける。※本稿は、大愚元勝『絶望から一歩踏み出すことば 大愚和尚の答え 一問一答公式』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

自分が本当にやるべきことは
どうしたら見えてくるのか

「やりたいことって何だっけ?」

「自分の使命とは何なんだろう?」

 ふと、そんな疑問が湧いてくることがあります。

 使命とは、単なる仕事を超えた、人生をかけて追求すべき自分の大きな役割。単なる目標とは違います。

 仏教では、そのような使命のことを「誓願」と言います。

 お釈迦様も、誓願を立てて出家なさいました。激しい苦行を続け、「これでもか!」というぐらいに肉体を痛めつけておられましたが、結局覚りに至らなかった。

 そこで、お釈迦様は苦行をやめました。ナイランジャナー川で疲れた体を浄きよめ、付近の村娘スジャータが差し出したヤギの乳粥を食して、そのまま菩提樹(ぼだいじゅ)の下で瞑想され…、ついに覚りを開きました。

 誰でも、「自分はこれをやりたい」という誓願がパチンと見える瞬間があります。でもそれは、スピリチュアルなお告げとかではなく、さりげない形でやってきます。

 仕事が順調なのに、ある日誓願に目覚めて、まったく別のことを始める人もいます。

 たとえば『マイクロソフトでは出会えなかった天職』の著者ジョン・ウッドは、ビジネスマンとして成功していたにもかかわらず、突然会社を辞め、発展途上国の識字率向上を目指すルーム・トゥ・リードという活動を始めました。