ダイヤモンド社の雑誌

ビジネスマンのための中国経済事情の読み方

このページを印刷

バックナンバー一覧

中国人の視点で考えた「反日感情」の理由

 前回の『中国人が「最も嫌いな国」は日本でなくなった』で、中国人の日本に対する見方に一定の変化が表れている点を紹介しました。しかしながら、中国において「反日感情」がいまだ根強いのも確かです。この問題は、中国ビジネスに関わる者として、必ず自分なりに頭を整理しておかなければならないものではないでしょうか。

 中国市場でビジネスをされている方は、当然のこととして顧客の気持を十分理解しなければなりません。反日感情が高まり、日本製品の不買運動でもされたらたまりません。そこまでいかなくとも、日頃中国で一緒に働く同僚、部下や、中国出張時に中国で出会うビジネスパーソンが、実は、裏で日本に対して嫌悪感を抱いているとしたら、それは気持ちのよいものではありません。また、中国で現地法人を経営している会社にとっては、労務管理上も従業員の気持ちはしっかり認識しておく必要があると思います。

 私自身もそれなりに自分の頭は整理しているつもりですが、それでも、一昨年の反日デモのような事態に直面し、暴徒が上海日本領事館に投石する姿、そしてそれを止めようとしない中国政府の姿勢を見るにつけ、腹立たしいと同時に、複雑な心境でした。私は日頃、日本の社会に対し、中国のありのままの姿を日本の皆さんに伝えようと、時に中国サイドに立った発言をすることもありますので、なおさらそう感じたのだと思います。

 あの反日デモの直後、どこで私のことを知ったのか、中国政府の人が、日本のビジネス界の人の意見を聞きたいと上海事務所に私を訪ねましたので、ちょうどいいチャンスと思い、自分の考えを伝えました。いかなる背景があろうと、そうした手段は両国にとっていかなる付加価値も生み出さないし、世界の中国に対する評価を低めるだけであると、率直に話をしたのです。

中国人の「反日感情」を
冷静に整理してみる

 今回は、私になりに、中国人の反日感情について、中国サイドの視点を冷静に整理してみました。ただし、自分の親族が戦争中日本軍に殺された経験を持つ中国人が反日的な感情をもつことは、ある意味当然のことであり、そうした点は当然のこととして割愛しております。

1)世界の大国中国が、列強の侵略により自信を失ったコンプレックスの中で、最も気に障る相手が小国日本

 日本は、政治、経済、文化的にも自分の弟分だと思っていたら、明治維新以降、素早く西欧列強の真似をして反対に手痛くやられてしまいました。一時、日本の明治維新、近代化を学ぼうと多くの中国人が大正以降日本に留学、日本との連携に期待する向きもあったが、結局日本の大勢からは相手にされず、愛情が憎しみに変わったという面も否めません。

ソーシャルブックマークへ投稿: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事をYahoo!ブックマークに投稿 この記事をBuzzurlに投稿 この記事をトピックイットに投稿 この記事をlivedoorクリップに投稿 この記事をnewsingに投稿 この記事をdel.icio.usに投稿

Special Topics

バックナンバー

Pick Up

経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”

人民元切り上げ拒む中国のエゴに、 日本政府はしたたかで賢い対応を

今年の中国全人代は、世界第2位の経済大国の座を目前にしながら‥

ツイッター+αのつぶやき企業戦略

特別対談!津田大介vs本荘修二(上) ツイッターで伸びる会社、沈む会社

世間とリアルタイムに結びついているツイッターは、使い方次第で‥

格差社会の中心で友愛を叫ぶ

“勝ち組”の足元にも死の落とし穴!? 自殺大国ニッポンで男たちが死に急ぐワケ

約16分にひとり。今、日本ではこんなハイペースで自殺が起きて‥

公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略

“不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS

ディフェンシブ銘柄とは、現在のようなデフレ状況下においても「‥

新着トピックス

野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
「円高こそデフレの原因」説の怪しさ ──今こそ必要なデフレの経済学(6)
日本を元気にする企業の条件
ホンダ、ヤマハ発、味の素、住友化学… 日本企業にもあるBOP市場開拓のネタ
『週刊ダイヤモンド』特別レポート
市民による市長リコールもまだできない 阿久根市政“大混乱”の責任は誰にある?
inside
全国で唯一の「コンドーム販売規制」 長崎県の少年保護育成条例改正が紛糾
News&Analysis
苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
岸博幸のクリエイティブ国富論
日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
inside
大手マンション会社も注視する「シェアハウス」の“選択基準”
「超都心」にアツい視線!
2009マンション人気ランキング発表。NO.1物件は?

最新の連載一覧

すべての連載

特集を見る

Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます

公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
“不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS
短答直入
大幅人員削減で業績改善へ 売上高3兆円計画は達成可能 住友電気工業社長 松本正義
金融市場異論百出
超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
週刊ダイヤモンド 企業特集
ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
『社会貢献』を買う人たち
キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
起業人
地方に埋もれたうまい食材を発掘し 築地市場に乗り込んだ風雲児 食文化社長 萩原章史
山崎元のマネー経済の歩き方
対等合併の呪
岡野工業・岡野代表エッセイ
“神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!
DOL編集部のツイッターを開始
最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。

著者プロフィール

高田勝巳
(アクアビジネスコンサルティング代表取締役)

上海在住15年。日系企業の中国ビジネス構築を支援しながら、中国経済の動向を「現地の視点・鋭い分析・分かりやすい言葉」をモットーにメディア等を通して日本に発信している。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)本部証券部門、上海支店等を経て2002年より現職。主な著書に『中国株式市場の真実』(共著・ダイヤモンド社刊)がある。
アクアビジネスコンサルティング ホームページ

この連載について

長年中国に住み、現地企業や政府と接してきた著者が贈る中国リポート。ニュースではわからない、現地で暮らしているからこそ見えてくる“リアルな中国”を紹介する。

高田勝巳氏の著書「中国株式市場の真実」好評発売中!

粉飾・汚職・詐欺・国外逃亡・・・。政・官・財一体の公営賭博場と揶揄される中国株式市場の闇の構造を克明に描き、再生の可能性を探る。 2520円(税込)

Recommend 話題の記事

週刊・上杉隆
元秘書として鳩山邦夫氏に苦言を呈す 信念の見えない離党に意味はあるのか?
China Report 中国は今
優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
IFRS最前線
「のれん償却廃止」で利益が乱高下!? IFRSで変わるM&A戦略の行方
田中秀征 政権ウォッチ
鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
News&Analysis
日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
山崎元のマルチスコープ
官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
エコカー大戦争!
ハイブリット車は主力製品にならない! 車文化を食い潰した日本には真似できない 欧州自動車メーカーの腹のくくり方
ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
SPORTS セカンド・オピニオン
大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

雑誌定期購読のご案内


詳しくはこちら

特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。


詳しくはこちら

1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。


詳しくはこちら

年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。


詳しくはこちら

偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。

お知らせ・ご案内

会員専用ページ開始のお知らせ
7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。