日本語版の提携先であるKDDIウェブコミュニケーションズによれば、リリース5日にして登録アカウント数が1万件を突破。ソーシャルブックマークでも1000を超えるユーザーにブックマークされており、「これはすごい」などのタグ付けがなされている。
「Jimdo」の編集画面。テンプレートも豊富だが、カスタマイズの自由度も高い。 |
“無料”を謳うホームページサービスは従来も存在した。では、「Jimdo」はそれらとどう違うのか?
ひと言でいえば、「Jimdo」の新しさは、ブラウザだけで高機能なサイトを簡単に構築できてしまう点にある。従来のサービスは、基本的には、ユーザー自身でHTMLファイルを作成し、サーバーにアップロードする必要があった。HTMLに関する知識はある程度必要であるし、企業サイトであればデザインセンスも問われる。
「Jimdo」の場合、HTMLファイルを作成する必要も、アップロードする手間も掛からない。ページやコンテンツはブラウザ上で簡単に増やすことが出来るし、編集画面と完成画面を同一インターフェースで処理するので、ワープロ感覚で次々に文章や写真、動画などを貼り付けていくことが出来る。テンプレートなどもセンスの良いものが用意されているので、あっという間に、見映えの良いサイトが出来上がってしまう。
ネットでの情報発信といえば、ブログが定着した感がある。だが個人はともかく、個人事業主や中小零細企業などは、やはり公式サイトが欲しいところだろう。ブログはどうしても身辺雑記的な雰囲気が拭いきれないし、コンテンツごとの区分を明確にし難い。とはいえ、公式サイトを制作会社などに発注すればそれなりにコストが掛かる。
ならば社内で自作してみるといっても、これが難しい。とりわけ陥りやすいのが、公開後の更新やメンテナンスが続かずに、放置されてしまうケースではないだろうか。「Jimdo」の威力が発揮されるのは、まさにこのときであろう。編集したい箇所を直感的な操作で書き換えることが出来るという簡便さは、サイト管理者にとって、かなり重宝であるに違いない。
現在は無料版で500MB、有料版で5GBのディスクスペースを提供している「Jimdo」だが、今後は法人向けのサービスも拡充していくという。この不況時、低コストで自社製品をアピールしたいと考えている中小企業などは、ぜひ試してみてはいかがだろう。
(中島 駆)