【第5回】 2010年01月21日
“あがり症”“内気な人”が危ない!?
失敗をきっかけに「引きこもる」大人たち
「体が動かなくなる」「家から出られなくなる」などの理由で会社を休職し、その後、退職してからも、再就職できないまま引きこもってしまう人たちが増えている。
ある一部上場企業の50代前半の部長は、朝の重役会議で、1週間の営業報告をしようと大勢の前で話し始めたとたん、30秒くらいで動悸が激しくなり、緊張で声が上ずって、話がしどろもどろになった。結局、話がまとまらずに、自分でもいたたまれなくなって、途中で発言を辞めてしまう。大失態だった。
元々、人前で注目されるのが怖くて、会議の席ではなるべく発言することを控えていた。しかし、ここまでひどく緊張したことはなかったという。
その後、部長は役員に叱責され、ひどく落ち込んで、会社を退職していった。
20代後半の会社員は、職場で「うつ」になって休職。上司から「完全に治ってから、出てこいよ」と言われたが、もうダメかなと思い、1年後に退職した。その後、何とかしなければいけないと思い、人材派遣会社に登録。紹介されると、面接に出かけるものの、退職原因などを追究されるうち、面接で緊張するようになって、不採用が続いた。
「引きこもり」の約7割に
認められる社会不安障害
結婚式のとき、受付でサインすると、手が震える。きちんとした場で会食しようとすると、吐き気を催す。大勢の前で挨拶しようとすると、視線を意識し過ぎて、頭が真っ白になる。声がひきつる。のどや口が渇く。しばらく黙ってしまって、ますます視線が感じられるので、上がってしまう。大量の汗をかく…。
引きこもりの原因の1つとして、最近、指摘されるようになったのは、そんな「社会不安障害」(SAD)の症状だ。
「最近、3年間くらい勤めると、つらくて退職する人が増えてきました。引きこもり気味の人を調査すると、約7割に社会不安障害が認められるのです」
こう指摘するのは、社会不安障害に詳しい、東洋英和女学院大学人間科学部教授で、横浜駅前にある「横浜クリニック」の山田和夫院長だ。
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著者プロフィール
- 池上正樹
(ジャーナリスト)
1962年生まれ。大学卒業後、大手通信社や制作会社の勤務を経て、フリーに。月刊誌や週刊誌、夕刊紙で、ひきこもり現象や健康医療、マンションなど、医・食・住のテーマを主に手がける。著書は、『ハッピー リタイア マニュアル』(ゴマブックス)、『痴漢「冤罪裁判」』(小学館文庫)、『「引きこもり」生還記』(小学館文庫)など。
この連載について
「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。
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