ノンバンク再編が加速する。2月29日、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)は、100%子会社の中間持ち株会社を設立し、信販系のセントラルファイナンス(CF)とクオーク、流通系カード会社のオーエムシーカード(OMC)、そして三井住友カードを含めた4社がその傘下に入ることを発表した。

 来年4月、三井住友カードを除いた3社が合併し、OMCを存続会社とした新会社となる。昨年4月にCFが三菱東京UFJグループを離脱してSMFGの傘下になったときから、CFとクオークの合併は既定路線であった。そこに昨年7月、三井住友銀行がOMCの株式を取得したことで、その2社にOMCが加わることになった模様だ。

 もともと、OMCの舟橋裕道会長とCFの土川立夫社長は旧知の間柄で「合併を模索している」(関係者)といううわさもあった。また、流通系カードであるOMCが持つ即時発行機能やマーケティング機能と、CFが提携している百貨店や鉄道などとの相乗効果が、今回OMCが合併に加わった理由とされている。

 だが、本来の事業構造からすれば、流通系と銀行系の違いはあるにせよ、同じクレジットカード事業がメインであるOMCと三井住友カードが一緒になり、信販系のCFとクオークが一緒になるほうが自然である。

 今回の再編に関しては、複数の関係者が「クオーク救済の側面が大きい」と指摘する。同社の事業の60%を占める個品割賦(ショッピングクレジット)は、「経済産業省からたびたび注意を受けるほど質の悪い加盟店が多く、管理の強化によって縮小を迫られている」(関係者)。また、財務状況も急速に悪化していると見られる。

 関係者は次のように分析している。「同じく個品割賦事業を抱えるCFとクオークの合併だけでは先行きは厳しい。まずはOMCが加わることで、コスト削減などを含めた規模の利益を求めるのではないか。その対価としてOMCが存続会社となったのだろう」。

 いずれ第2段階として、数年後にこの3社合併に三井住友カードが加わる可能性は高い。「そうなれば脅威」(ライバル会社幹部)と言うように、加盟店開拓力などで強みを持つ三井住友カードを中心とした強大なカード会社が出現する。だがそのときまでは、競合他社を脅かす存在になれそうにない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 藤田章夫)