【第9回】 2007年12月14日
「ネットの自由」が危ない!霞が関に続いて自民党も規制に名乗り
官僚に続いて、与党・自民党が「ネットの自由」の規制に名乗りをあげた。“主犯”は、同党の「青少年特別委員会」(高市早苗委員長)だ。会期延長の行方次第だが、早ければ今国会にも、インターネット上の有害情報の削除などを義務付ける法案を作成、提出する構え。
「ネットの自由」の規制には、すでに警察庁、経済産業省、総務省といった霞ヶ関の官僚たちが強い意欲をみせている。トラブルの多い出会い系サイトからの「未成年の保護」、急増する「迷惑メール」の排除という大義名分の下で、ろくに効果も弊害も検証されないまま、こうした法案が可決・成立する可能性は大きい。「草の根」の市民媒体として誕生したはずのネットは、今、憲法で保証された表現や言論の自由を奪われかねない、誕生以来の大きな危機を迎えている。
有害サイト削除に加えて
ネットカフェも規制対象に
問題の法案の策定を決めたのは、12月11日の夕刻、永田町の自民党本部で開かれた「青少年特別委員会」だ。同委員会には、中曽根弘文氏、島村宣伸氏ら20数名の自民党議員が出席した。この委員会の冒頭で、高市早苗委員長が、野党にも、インターネット上の違法・有害情報対策法案を提出する動きがあり、公明党と連携して野党の機先を制したいと説明。法案の骨子記した「委員長メモ」を示したうえで、法案を作成・提出することの了解を取り付けた。
そのメモによると、現時点で想定されている法案の柱は、1)違法・有害情報のカテゴリーを法定(その認定基準の細則は下位法令に委任)し、関係事業者に削除義務を課す。2)携帯電話の利用者が成年で、かつ、不要であると拒否しない限り、携帯電話会社に、(有害情報が存在する可能性のあるサイトに接続しないよう)フィルタリングソフトの稼動を義務付ける。3)コンピューター端末を使用させて、インターネットを利用させる営業(空港の公衆用インターネットコーナーやインターネットカフェ)を、新たな規制の対象とする。違反者への制裁措置を設ける。4)学校教育におけるメディアリテラシー教育の充実についての規定を設ける――の4つ。
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著者プロフィール
- 町田徹
(ジャーナリスト)
1960年大阪府生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)卒。日本経済新聞社に入社後、記者としてリクルート事件など数々のスクープを連発。日経時代に米ペンシルバニア大学ウォートンスクールに社費留学。同社を退社後、雑誌「選択」編集者を経て独立。日興コーディアルグループの粉飾決算をスクープして、06年度の「雑誌ジャーナリズム賞 大賞」を受賞。「日本郵政-解き放たれた「巨人」「巨大独占NTTの宿罪」など著書多数。
この連載について
硬骨の経済ジャーナリスト・町田徹が、経済界の暗部や事件を鋭く斬る週刊コラム。独自の取材網を駆使したスクープ記事に期待!
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