【第8回】 2009年02月04日
若手にとって「いいからやれ!」はNGワード。
仕事の意味を伝えられない未熟な上司たち
――[適度なかまい方 5か条]全解説
部下の言うことを傾聴できないと上司は信頼を失う、と前回は述べました。それは、対部下コミュニケーションのもっとも素朴な原則と言えます。
今回は、「適度なかまい方 5か条」の残りの4つについて解説します。どれも当たり前の事柄ですが、私たちが案外できていないことでもあります。もし、それが当たり前にできているなら、入社3年以内に3割強が辞めてしまうというような現状にはなっていない、のではないでしょうか。
[適度なかまい方 5か条] ~その(2):
必ずフィードバックする
熟達化理論を研究する松尾睦・小樽商科大学教授の研究によれば、営業担当者が業績につながる優れた知識やスキルを獲得するためには10年以上かかっていることが示されたそうです。営業という仕事に限らず、スポーツやアートの領域でも「熟達化の10年ルール」は定説になっています。
ただし注意が必要なのは、「10年経てば自動的に熟達する」わけではなく、「熟達するには最低10年かかる」ということです。さらに、10年という期間において「よく考えられた練習を積むことが大切になります」と松尾教授は指摘しています。
「よく考えられた練習というのは、課題が適度に難しく、明確である。すなわちストレッチされていること。また、実行した結果についてフィードバックがあること、何度も繰り返すことができ、誤りを修正する機会があるような練習の仕方です。つまり、ストレッチ&フィードバックが熟達化の条件となります」(松尾教授)
やりっぱなし、やらせっぱなしでは、いつまでたっても実力はつかない、というのは普通に理解できますね。若手社員がひとつの業務を終えた後は、その仕事をあなたの経験に照らし合わせて評価し、先輩としての意見を伝えましょう。
フィードバックするときには、1)若手社員の人格についてではなく、行動を評価すること。2)挑戦して失敗したことを責めない。この2つが肝心なポイントです。
[適度なかまい方 5か条] ~その(3):
質問する
どんな仕事でも、自分なりの仮説をもって取り組むことが仕事の楽しさにつながりますし、この姿勢がないと、いつまでたっても「やらされ感」が払拭できません。
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著者プロフィール
- 間杉俊彦
(ダイヤモンド社 人材開発事業部副部長)
1961年、東京都生まれ。86年ダイヤモンド社に入社し、「週刊ダイヤモンド」記者として流通、化学・医薬品、家電、運輸・サービスなどの各業界を担当。同誌副編集長、マネー誌「ザイ」副編集長を経て、06年より人材開発事業部副部長。08年9月29日に発刊された週刊ダイヤモンド別冊「ダイヤモンドing(イング)」では編集人を務める。『若手社員を辞めさせず成長させる 「適度なかまい方」マニュアル』『なぜ職場で人が育たなくなったのか』を連載中。
この連載について
若手社員はなぜすぐに辞めてしまうのか――。放置プレー上司が多い中、早期離職を防ぐためには、若手を「“適度に”かまう」ことが大切。部下を辞めさせることなく成長させる人材マネジメントのノウハウを伝授する。
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