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年収200万円以下の騎手も!
競馬界にも広がる格差社会

―― チャンスも富も一部の人に集中。強まる優勝劣敗の論理

 6月1日、東京競馬場で第75回日本ダービーが行われた。勝ったのは1番人気のディープスカイ。騎乗した四位洋文は昨年のウォッカに続き、2年連続ダービー制覇の快挙を成し遂げた。

 レースが行われた府中競馬場には12万5千人ものファンが来場し、売上は約280億円を記録。とはいえ昨年比で見ると観客動員は95%、売上は91%。入場者、売上ともに減少が続いている。

 ひと昔前は普段競馬をやらない人でも春のダービーと暮れの有馬記念ぐらいは話題にし、お付き合いの馬券を買ったものだ。しかし今は、他に熱中できる対象が増えたせいか、競馬に興味を持つ人と持たない人が、はっきりと分かれるようになった。

ネット馬券から一口馬主まで
様変わりしはじめた競馬業界

 馬券の買い方も変わった。昔は競馬場や場外馬券売り場に行くしかなかったが、今は電話・インターネット購入が主流になりつつある。中央競馬(JRA)の馬券売上はネット購入が40パーセントを超えたといわれる。

 この流れに拍車をかけたのが、1着から3着までを順番通りに当てる「3連単馬券」の登場だろう。今回のダービーのように18頭立てのレースの場合、組み合わせは4896通りもあり、当てるのは至難の技だ。そのかわり、当たればデカい。100円の馬券を何十通りも買い、万馬券(時には10万馬券、100万馬券も)的中を狙う宝くじ的な楽しみ方が生まれた。まさしくゲーム感覚。「個」に閉じこもる娯楽になりつつあるといえる。

 そういえば今JRAが行っているキャンペーン「CLUB KEIBA」は仲間を誘って競馬場に行くことを促す内容だ。「個」に閉じこもる娯楽という流れに、JRAも危機感を持っている証拠だといえるだろう。

 一方、馬主のあり方も変わりつつある。馬を持つには大金がかかる。社会的に成功し富を得た者が、その証しとして道楽的になるのが馬主だった。

 だが、今は大金を投資しなくてもなれる一口馬主という形態がある。競走馬を管理する法人が会員を募集、ファンドとして一頭の馬への投資を募る。会員は一口数万円から数十万円の出資で馬主気分が味わえるのだ。また、成功者の証しとしてなったはずの個人馬主も名誉だけでなく実益を競走馬から得ようとする意識を持つようになってきた。時代の流れに応じて、よりシステム化され、これに厳しい経済環境が加わって、大きく様変わりしているのが今の競馬なのだ。

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著者プロフィール

相沢光一
(スポーツライター)

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」

この連載について

サッカーから野球、大相撲や陸上に至るまで、あらゆるスポーツニュースを独自の視点で解説!スポーツニュースの「セカンド・オピニオン」を目指します。

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