2018年、おすすめの住宅ローンの組み方を考えてみたいと思います。今年は金利が大きく変動する可能性がありそうなので、金利タイプを一つに絞ってしまうのではなく、金利の決まり方が異なる複数の金利タイプで審査を通しておくことが重要です。特に、「フラット35」「変動金利」「申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する住宅ローン」という、3つの金利タイプをカバーしておけば、それなりのリスクヘッジができるのではないでしょうか。
こんにちは、基本的に住宅ローンを「おすすめ」で決めるとことには懐疑的な千日太郎です。まったく、居酒屋のメニューじゃあるまいし。
自分にとってベストな住宅ローンは、不動産の価格、用意できる頭金の額、購入時点の収入と年齢、家族構成にライフプラン…。ちょっと考えただけでも、どんな前提を置くかによって何がベストか変わってくるものです。
しかし、それでもあえて2018年におすすめする「住宅ローンの組み方」があります。
「想定外の事態」によって金利が大きく変動する可能性を「ある程度は想定」し、金利の決まり方が異なる複数の金利タイプで審査を通しておくことです。
住宅ローンの金利は、国の経済政策や、その時の金融市場によって上下します。なので、必ずしも自分にとってベストな金利タイプの住宅ローンを最も有利な金利で借りられるとは限りません。
Aプランだけで準備するのではなく、Bプラン、Cプランでもミッションを完遂できるように準備しておくことをおすすめします。ここでは、「フラット35」「変動金利」「申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する住宅ローン」という、3つの金利タイプ・金利ルールの住宅ローンについて審査を通しておけば、契約時点の金利や金融市場の状況に応じてベストな1本を選ぶことができるでしょう。では、それぞれ説明して行きましょう。
フラット35の金利を1.38%に抑える?
住宅金融支援機構が上乗せコストを操作
住宅ローンのフラット35は住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取る、または返済を保証するという形になっています。千日の分析によると、今のところ国はフラット35の金利(団体信用保険料0.28%込み)を1.38%に抑えたいと考えているようです。
日銀はイールドカーブ・コントロール政策で10年国債市場に介入して債券の利回りを0%程度で推移させるように操作していますが、住宅金融支援機構もまた、フラット35の金利が安定推移するよう操作をしているというのが千日の推理です。
千日のブログでもフラット35の金利予想をしていますが、2018年のフラット35の金利は今のところこの予想通りに推移している感じです。
基本的に住宅ローンの固定金利は、金融市場の長期金利に連動します。ここのところ、アメリカの長期金利が上昇するなど、不穏な空気が漂っていて、予想外の刺激にヒステリックに反応して乱高下する傾向がありますので、心臓に悪いのです。
【関連記事はこちら!】
⇒「米朝首脳会談」が、2018年の住宅ローン金利に及ぼす影響を大胆予想!
フラット35であっても、金融市場の長期金利の影響を受けますがそれだけではありません。住宅金融支援機構(所管省庁が国土交通省住宅局と財務省の独立行政法人、つまり国)が上乗せコストを操作することで、1.38%に抑えようとしますので、こうした金融市場の影響をある程度食い止めてくれているのです。さらに公的融資ということで、審査に通りやすいのも魅力ですね。
フラット35のおすすめは
アルヒの「スーパーフラット8S」
その中でも、アルヒが取り扱っている「スーパーフラット」は、通常のフラット35に比べて金利を0.10%、または0.05%引き下げている、おすすめの住宅ローンです。
従来は、頭金が2割以上必要な「スーパーフラット8」だけでしたが、2017年10月に、頭金が1割以上必要な「スーパーフラット9」も投入しました。
なお、スーパーフラットは新規借入の人向けの住宅ローンです。
| ■アルヒのスーパーフラットは金利が最大0.1%低い! | ||
| 商品名 | アルヒの「スーパーフラット8」 | アルヒの「スーパーフラット9」 |
| 通常のフラット35との金利差 | 金利▼0.10% | 金利▼0.05% |
| 頭金(手持金) | 2割以上 | 1割以上 |
| 返済負担率 | 30%以内(年収400万円未満) 35%以内(年収400万円以上) |
20%以内 |
加えてさらにこのスーパーフラットはフラット35Sとの併用も可能です。
省エネルギー性、耐震性などに優れた住宅を取得してフラット35を借りると、当初の10年または5年間、0.25%引き下げになるのがフラット35Sです。満たすべき性能基準の厳しさで引下げの期間が変わってきます。
当初の期間の金利が低いという商品は民間金融機関の当初固定金利にもありますが、民間住宅ローンは当初の期間が終わったら、そのときの基準金利が適用されるので金利が上がっていたときは高い金利が適用されてしまいます。
また基準金利からの優遇幅も減ってしまうのですが、フラット35は現時点の金利で固定されているのでそういうことがありません。まさにS(スペシャル)なフラット35なのです。
Sのほかにも子育て支援などいろいろあります。どれもアルヒのスーパーフラットと併用可能です
| ■お得なフラット35はどれだ? | |||
| タイプ名 | フラット35S | フラット35リノベ | フラット35子育て支援型及び地域活性化型 |
| 引き下げの内容 | ・金利Aプラン:当初10年間、0.25%引き下げ ・金利Bプラン:当初5年間、0.25%引き下げ |
・金利Aプラン:当初10年間、0.6%引き下げ ・金利Bプラン:当初5年間、0.6%引き下げ (2018年4月申込からは0.5%引き下げ) |
当初5年間、0.25%引き下げ |
| 予算の担い手 | 国 | 国 | 都道府県、市町村 |
| ※2018年4月以降、「リノベ」タイプの引き下げ幅は、0.5%に縮小 | |||
上記の「フラット35S」「フラット35リノベ」「フラット35子育て支援型及び地域活性化型」は、すべて、アルヒのスーパーフラットと併用が可能です。フラット35に申し込むのであれば、まずはアルヒを検討するのがおすすめではないでしょうか。
| ■「アルヒ」のスーパーフラットの概要 | |
| 金利 | ⇒「アルヒ」詳細ページを見る |
| 無料団信の保障範囲 | なし |
| オプション保険[保険料] | 死亡・高度障害(金利を0.3%上乗せ) |
| 事務手数料(税込) | 借入額×2.16% |
| 保証料(税込) | 0円 |
| 【ポイント】SBIモーゲージから社名変更した住宅ローン専門の金融機関。フラット35の実行件数ナンバー1で、全国の店舗で相談可能。スーパーフラットは、通常のフラット35よりも金利が0.1%も低い。事前審査は最短で当日、本審査は最短3営業日のスピード審査が特徴。 | |
(関連記事はこちら!⇒[アルヒの住宅ローンの金利・手数料は?])
変動金利の「底」はいつまで続くか?
金利が上がることも見越して備える
次期の日銀総裁は黒田総裁の続投となるでしょう。黒田氏は2016年のマイナス金利政策をはじめとする「異次元の金融緩和」の立役者であり「2%の物価上昇率の目標」をかかげ、今の時点で出口対応(利上げ)を考える局面ではないと強調しています。
しかし、市場関係者の間では「そろそろ利上げすべきタイミングが近づいてきているのではないか?」という見方が優勢になってきているようです。
とはいえ、利上げの判断ということになると大半の専門家は「今はまだマズい、急激な円高をもたらす危険がある」という見解なんですよね。つまり、ある程度の期間であれば今の激安の変動金利の恩恵を得られる可能性が高いということになります。
そのある程度の期間とは何年か? 私は5年程度ではないかと考えています。
住宅ローンの変動金利(短期プライムレート)は政策金利の影響を受けますが、それはあくまで日銀がそのように誘導しているだけです。
住宅ローンの契約書の約款のどこにも「政策金利に連動させる」なんて書いていませんよ。つまり、政策金利に関係なく銀行の判断で、銀行の存続のために変動金利を上げるという事態も有りうると考えています。
【関連記事はこちら!】
⇒住宅ローンの変動金利が上がる時期を大胆予測! 高い貸出金利の人が激減して、銀行が一斉に金利を引き上げるのは「2023年」
今後の金利動向は読めませんが、今が「底」の変動金利で住宅ローンを借りておき、上がったときのための繰上げ返済用の貯蓄をしていくという戦略もあるのです。
変動金利ならば、住信SBIネット銀行、
じぶん銀行で無料の疾病保障特約
いずれ上がる可能性のある変動金利に関しては、今の時点で最も低金利を出しているうえに、疾病保障特約が無料で付帯するネット銀行がおすすめです。
ネット銀行の中でも、おすすめは住信SBIネット銀行と、じぶん銀行です。シンプルに低金利という事に加えて、通常は金利に上乗せとなる疾病保障が無料で付くからです。
| ■住信SBIネット銀行とじぶん銀行の比較 | ||
| 銀行名 | 住信SBIネット銀行 | じぶん銀行 |
| 無料保証の内容 | 精神障害等を除く全ての病気やケガで働けなくなったらローン返済がゼロ円になる。 | 6カ月の余命宣告をされたら住宅ローン残高がゼロ円になる。 |
| 免責期間 | 8疾病で12カ月継続して働けなくなったらローン残高がゼロ円になる。 | 医師にガンと正式診断されたらその時点のローン残高が50%になる。 |
| 条件 | 8疾病以外の病気やケガの場合でも入院により12カ月継続して働けなかったら、ローン残高がゼロ円になる。 | 入院などの条件なし。 |
【関連記事はこちら!】
⇒無料の疾病保障団信がついた住宅ローンを徹底比較! 住信SBIネット銀行、じぶん銀行のどちらが有利?
また、この2行のネット銀行には、どちらもメガバンクの資本が入っていることもおすすめする理由です。
両行とも「銀行業」を本業とする都銀のブランドと経営陣を背負っているので、親会社と営業施策で足並みを揃えることが予想されるのです。少なくともメガバンクの資本が入っている間は、メガバンクとともに一番最後に基準金利を上げることになるでしょう。
申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する
地銀、信金も忘れずに!
あまり知られていないのですが、一部の地銀や信金の中には住宅ローンの申込から融資実行までの間で最も低い金利で融資する、とする商品を出しているところがあるのですよ。
フラット35は政府が金利上昇を抑える上に前月から金利が予測できるとは言ってもベースとしては市場の長期金利の影響を受けて上がることは避けられません。具体的には、以下のような連鎖が起これば、金利が突発的に上昇する可能性があります。
・たまたまその時に金融市場がヒステリックに反応して長期金利が上がった
・たまたまその月に住宅ローンの実行日が重なった。
・そのために35年の住宅ローンの金利が高い金利になってしまった。
なので、その予防として申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する地銀や信金で申し込んでおくのは、金利情勢が不安定な今こそおすすめなのです。
変動金利は当分の間は上がらないだろう、とは言っても10年、20年、30年というスパンでは予測はできません。基本的に銀行が随時上げられるからこそ、今のところ安いだけなのです。
これに対して、一部の地銀や信金では、申込時点で公開されている金利よりも上がることはないのです! これは、フラット35やメガバンク、ネット銀行などの変動金利にはない特徴であり、最大のメリットではないでしょうか。
地銀の本店がある都道府県以外でも住宅ローンが組める場合があります。名前だけ見て諦めるのは損ですよ。例えば北國銀行などは本店所在地は石川県ですが東京や大阪にも支店があります。問い合わせるのはタダです。是非トライしてみてください。
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⇒住宅ローンの融資実行までに突発的に金利が上昇しても、「一部の地銀」なら心配なし!
金利の決まり方の違う複数タイプの
住宅ローンで審査を通しておくべし
住宅ローンをとりまく金利情勢として2018年は、すこし不穏な状況なんですよね。
住宅ローンは申込から実行まで、概ね6週間が目安です。6週間もあれば北朝鮮をめぐる情勢が急展開し、金利動向が180度ひっくり返ることは十分にあり得ることです。つまり、たまたまその月に金利が高騰しただけなのに、今後35年間の金利が決まってしまう怖さがあるのですね。
そのため、金利の決まり方が異なる複数の金利タイプで審査を通しておくことが重要です。
おすすめする3つの金利タイプは、「フラット35」「変動金利」「申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する住宅ローン(一部の地銀)」です。この3つをカバーしておくという住宅ローンの組み方はなら、不穏な金利情勢にも多少は対応できるのではないでしょうか。
長期固定金利を望む場合は、「フラット35」が本命でしょうが、融資の実行次点で一時的に金利が跳ね上がってしまった時は、「申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する住宅ローン(一部の地銀)」を選択するといいでしょう。
変動金利は早々に上昇する気配はありませんが、融資実行までの数カ月の間に上昇し始めたりすれば、一気に上昇モードに転じる可能性があります。やはりそうしたケースでは「申込時点と実行時点で低い方の金利を適用する住宅ローン(一部の地銀)」が役に立つでしょう。
金利タイプや金融機関を早くから一つに絞ってしまうのではなく、金利の決まり方、対応の仕方が異なる複数の金利タイプについて、複数の金融機関で審査を通しておくことが重要なのです。
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⇒【住宅ローン「実質金利」ランキング(変動金利)】新規借入で、本当にお得なローンを毎月発表!
1月31日に千日太郎の著書「家を買うときに『お金で損したくない人』が読む本」が発売されました。著書の第4章では、金利動向に左右されない住宅ローンの選び方について、専門家の理論を知識ゼロから理解できるようにまとめています。おそらく、他の本にはない踏み込んだ内容になっていると自負しています。ぜひお手に取ってみてくださいね。
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⇒安倍首相の続投で住宅ローン金利はどうなる? 2018年の長期固定金利は低金利が続く!?





