不動産売却の注意点
【第17回】 2019年1月17日公開(2019年1月17日更新)
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梶本幸治

買主から価格交渉が入った時、どうすればいい? 納得のいく不動産売却へ、不動産会社との相談の秘訣を伝授!

不動産を売却する際、買主から価格交渉(値引き要請)が入ることは多々あります。その際、受け入れるのか、断るのか、それとも値段を引き上げて再交渉するのか、悩む人は多いでしょう。そこで正しい対応策を伝授いたします。結局、不動産会社と相談することになるのですが、その聞き方を間違わなければ、納得のいく売却が実現できるでしょう。

買主に地方特性はあるの?
価格交渉に応じるかどうかはケースバイケース

価格交渉の時は、最初にもらった価格査定書を見ながら、不動産会社と相談しよう(本文と写真は関係ありません)

 不動産の売却を開始し、やっと買ってくれそうなお客様が見つかったものの、価格の交渉が入ってしまうなんて事も珍しくありません。

 一般的には、名古屋のお客様は価格交渉を殆どせず、東京のお客様は交渉幅が少なく、大阪のお客様は大幅な価格交渉をしてくる等ともいわれますが、これもケースバイケースで一概に言い切る事は出来ません。

 このように、買主からの価格交渉が入った時、応じたら良いのか、断ったら良いのかについて今回の記事では解説して参ります。

 解説を行うに当たり、不動産会社1社に販売を任せていた(専属専任媒介契約若しくは、専任媒介契約)場合と、複数の不動産会社に販売を任せていた(一般媒介契約)場合に分けてご説明したいと思います。

不動産会社1社に販売を任せていた場合
当初の査定価格に注目して不動産会社に相談

 不動産会社1社に販売を任せている場合、まずは販売開始時に不動産会社から提示されていた「査定価格」と「買主の購入希望価格」を見比べて下さい。

  • ・「査定価格」の方が低いのが(ケース1
  • ・「査定価格」の方が高いのが(ケース2
  •  

となります。

(ケース1)査定価格よりも低い価格で価格交渉が入った場合
・当初査定価格:3200万円
・売り出し価格:3300万円
・買主の購入希望価格:3100万円

 上記の様な場合、不動産会社の営業担当者に何故、査定価格を下回るような交渉が入ったのかに関し説明を求めましょう。

 その説明が合理的で納得の行くものであれば3100万円で契約しても良いでしょうが、多くの場合、営業担当者は言を左右にして明確な説明をしてくれないものです。してくれないと言うよりは「合理的な説明が出来ない」と言っても良いかも知れません。

 何故なら、交渉金額が査定価格を下回っている理由の多くが「営業担当者が不動産相場を読み違えていた」若しくは「自身の営業成績を優先するあまり、売主に不利な契約を押しつけようとしている」事に起因するからです。

 「不動産相場を読み違えていた」と営業担当者が正直に告げてきた場合は、売主とすれば腹立たしいところではありますが、買主希望価格の3100万円が妥当である可能性が高い為、冷静になって判断し3100万円での契約もやむを得ないかも知れません。

 しかし、営業担当者から合理的な説明も、目聞き違いに対する素直な告白も無い場合は、「自身の営業成績を優先するあまり、売主に不利な契約を押しつけようとしている」可能性が高くなりますから、当初不動産会社から提示された3200万円で買主に再交渉する事をお勧めします。

(ケース2)査定価格よりも高い価格で価格交渉が入った場合
・当初査定価格:3000万円
・売り出し価格:3300万円
・買主の購入希望価格:3100万円

 上記の様なケースでは、売主の気持ちとすれば「3300万円で売りに出しているのに、200万円も交渉してくるなんて気に入らない買主だ!」となるかも知れませんね。

 しかし、少し冷静になって下さい。

 不動産会社は販売に先立ち、あなたが所有されている不動産の価格を3000万円と見積もっていたわけです、それに対し、買主は【100万円も高い】、3100万円を提示して来ています。

 つまりこの場合は、売り出し価格が高すぎる事が問題であり、買主が失礼なわけではございません。

 本ケースでは買主が提示してきた3100万円で契約するか、買い上がりの再交渉を行うにしても3150万円程度の軽微な引き上げで交渉される事をお勧めします。

 もちろん、あなたが所有されている不動産ですから、気に入らなければ商談を流す権利があなたにはあります。しかし、本気で不動産を売却したいとお考えなら、買主が査定価格以上の価格を提示してきた場合、その話に乗っても損はないと思います。変に交渉を拗らせて商談を流し、後々「あぁ、あの時の買主に買って貰っておけば良かった」等と後悔する事のないよう気をつけて下さい。

 なお、「査定価格」と「買主の購入希望価格」がほぼ一緒だった場合も、同様です。買主が提示してきた価格で契約するか、再交渉を行うにしても軽微な引き上げにとどめるのがいいでしょう。

【参考記事はこちら】>> 「高い査定価格」の不動産会社は信頼できる?「本当に売れる価格」かを確認する方法を解説

複数の不動産会社に販売を任せていた場合
当初の査定価格が高い不動産会社の助言がカギ

 一般媒介で複数の不動産会社に売却を任せた場合も、基本的には商談を持ってきた不動産会社が、販売当初提示していた査定価格が判断基準になります。

 しかし、専属専任媒介契約や専任媒介契約の場合と異なり、複数社に販売を任せている一般媒介では、不動産会社によって査定価格も微妙に異なるでしょう。又、商談を持ってきた者以外の不動産会社に相談しても、競合する不動産会社同士では足を引っ張り合うため、「そんな商談、断った方が良いですよ」とアドバイスしてくる可能性が高くなります。

 このような場合、販売を任せている各社が当初出してきた査定価格を今一度、じっくりと見てみましょう。

(ケース3)商談を持ってきた会社の査定価格が最も高かった場合
・当初査定価格(A社、商談を持ってきた会社):3200万円
・当初査定価格(B社):3100万円
・当初査定価格(C社):3000万円
・売り出し価格:3300万円
・買主の購入希望価格:3200万円

 こんなケースなら、あまり悩む必要はないでしょう。

 商談を持ってきたA社は当初の査定価格が3200万円で、買主希望価格も3200万円です。どんぴしゃりの査定でした。

 そして、B社もC社も「当初の査定価格」が、「買主の購入希望価格」よりも低いのですから、両社とも自らの目利き違いと、販売力の無さを反省してもらうだけで、助言をもらうこともないでしょう。

 こうなると、買主が提示してきた価格で契約するか、再交渉を行うにしても軽微な引き上げにとどめるのがいいでしょう。

(ケース4)商談を持ってきた会社の査定価格がそれほど高くなかった場合
・当初査定価格(A社、商談を持ってきた会社):3100万円
・当初査定価格(B社):3200万円
・当初査定価格(C社):3000万円
・売り出し価格:3300万円
・買主の購入希望価格:3100万円

 この場合は、若干悩ましいことになります。

 商談を持ってきたA社は当初の査定価格が3100万円で、買主希望価格も3100万円ですから、当初の提案と得られた結果に整合性がございます。

 B社の場合、当初査定価格が3200万円で、今回A社が持ってきた商談が3100万円ですので、とりあえずは「こんな商談断りましょう」と提案する資格はありそうです。

 しかし、C社の場合は査定価格3000万円に対し、A社が持ってきた商談が3100万円ですので、この商談に反対する資格はありません。C社が想定していた以上にA社のお客様が高い価格を提示されているのですから、C社は自らの目利き違いと販売力の無さを反省する事こそあれ、A社の商談を邪魔する事は許されないでしょう。

 そこで売主としては、買主の購入希望価格よりも高い査定価格を出していたB社に対しアドバイスを求める事になりますが、この時、「B社さんでは3ヶ月以内に、今回の商談価格である3100万円を超えるお客様を見つける自信がありますか?」と聞いてみて下さい。

 この質問に対しB社が、「もちろん、自信があります」と胸を張るようなら、A社の商談を流すか、3100万円を超える金額での再交渉を依頼してみても良いでしょう。

 しかし、B社の回答が心許ないモノであれば、今回の買主を大切にし、3100万円で契約に進まれた方が賢明かも知れません。

価格交渉は、当初の査定価格を参考に助言を受ける

 ご覧頂いたように、買主からの価格交渉が入った時、応じたら良いのか、断ったら良いのかについては、不動産会社があなたに提案してきた査定価格や販売計画に照らして検討される事をお勧めします。

 その時の気分や感情で判断しては、後々「あぁ、あの時の買主に買って貰っておけば良かった」等と後悔する事になったり、営業担当が自身の営業成績を優先するあまり、不利な契約を押しつけようとしている事に気付けなかったりしてしまいます。

 大切な不動産の売却に当たっては、冷静かつ合理的な判断で結論を出して下さい。

【参考記事はこちら】>> 家の査定価格が高くても、鵜呑みにするな!? 不動産会社は契約獲得へ高値“連発”するので複数業者で査定して相場を知ろう!

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<不動産売却の基礎知識>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、便利な「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆リビンマッチ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「リビンマッチ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
リビンマッチ公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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