不動産を高値で売却する方法[2018年]
2018年5月28日公開(2018年7月13日更新)
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ザイ・オンライン編集部

不動産売却の「査定価格」は本当に信用できるのか?
査定価格の算出方法や、"高額"に査定されるポイント、
注意点など、不動産業界のプロの声をもとに徹底解説!

売却のスタートとなるのが、不動産会社に「査定価格」を出してもらうこと。通常、複数の不動産会社に査定を申し込み、依頼先を検討する。この際、査定価格に数百万円単位の開きが出ることもあるが、どうやって決めているのだろうか? 不動産業界の現場の人々を取材して、「査定価格」とどう付き合えばいいのかを調査した。

「査定価格」は、「売り出し価格」を決めるための参考価格

 家の売却にあたってもっとも気になるのは、"いくらで売れるか"だろう。そこで、多くの不動産会社が無料査定を行っている。その結果、査定価格の高かったところに仲介を依頼する人が多いが、気をつけなければならない点もある。

 「家の査定価格は"売却予想価格"です。実際の売却価格が査定価格を下回ったとしても、不動産会社が差額分を補てんしてくれるようなことはありません」(価値住宅株式会社・代表取締役 高橋正典氏)

 つまり、不動産会社は提示した査定価格について何も保証していないということだ。そもそも、売り出し価格を決めるのは不動産会社ではなく、売主である。仮に査定価格は5000万円でも、売主の意思で売り出し価格は4000万円にも、7000万円にもできる。その価格で売れても売れなくても、責任は売主にある。

 では、なんのための査定価格かというと、不動産の門外漢である売主が売り出し価格を決める際の目安にするためである。

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「机上査定」と「訪問査定」の違いは、
「物件固有の情報」の有無

 では、査定価格はどうやって計算しているのか。ご存知の方も多いと思うが、居住用の物件の査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2つがある。まずはこの2つの査定の違いを押さえておこう。

(1)机上査定

 実際の物件を見ずに、築年数や床面積、周辺の類似物件の売り出し事例や成約事例などから査定価格を算出する方法。

 簡易な査定のため、30分から1時間程度、かかっても数日以内に査定価格が判明する。マンションであれば、ネット上で情報を入力するだけで、査定価格がその場で算出されるサイトもある。

 「売却を考え始めたばかりで、とりあえずどれくらいで売れるものか知りたい人」や「概算でいいので、複数の不動産会社の査定価格をスピーディーに比較したい人」にとって適した査定となっている。

(2)訪問査定

 机上査定の情報に加えて、実際に査定者が物件を訪れ、室内の状況や眺望、日当たりなどを確認し、より正確な査定価格を算出する方法。「机上査定+物件固有の情報=訪問査定」といえる。

 不動産会社にもよるが、現地での物件確認に数10分程度、このほか役所や法務局で法規制やインフラ状況を確認するため、査定結果が出るまでに数日から一週間程度かかるのが一般的だ。

 不動産会社の候補をすでに2~3社に絞り込んでいて、物件に対する評価の細部を比較したい場合や、実際の売り出し価格を検討するような場合に適した査定となっている。

 机上査定と訪問査定はステップ式になっているわけでなく、どちらか一方で済ますこともできる。ただ、まずは気軽に受けられる机上査定を依頼する人が多い。その結果を見て、不動産会社の候補を2~3社に絞ったうえで、訪問査定を依頼するのが一般的だ。なかには、机上査定の結果だけで売却を依頼する人もいるが、契約等で担当者が家を訪れるため、実質的に訪問査定を受けるのと同じになる。

 もちろん、当初から特定の不動産会社への依頼を決めている人は、訪問査定から依頼してもかまわない。ただし、査定価格は不動産会社によって、百万円単位で違ってくるのが当然だ。まずは机上査定でいいので、主だった不動産会社の査定は受けておくことをおすすめする。一括査定サイトを利用すれば、申し込みの手間も少ない。

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査定価格の「算出方法」と「査定ポイント」

 机上査定と訪問査定では、インプットする情報量に違いはあるものの、査定額の算出方法はいずれも「取引事例比較法」が基本となっている。取引事例比較法とは、類似物件の取引事例と比較して、売却予想価格を割り出すものだ。

 たとえば、ほぼ同じグレードのマンションだが、駅からの距離が若干遠いマンションが5000万円で売れたという成約事例があったとする。そこからわかることは、売ろうとしているマンションはそれよりも駅から近いので、より高く買ってくれる可能性があるということだ。過去の取引事例を元に、プラス要素とマイナス要素を加味し、さらに時点補正を加えることで、査定価格を出すものである。

 ただし、価格査定といっても、法律で定めているのは「合理的な説明をせよ」と言っているだけであって、具体的な方法は定めていない。そのため、価格査定のレベル感はさまざまだ。国交省が合理的な価格査定の一つとして明示している「価格査定マニュアル」を使っていることもあれば、近隣の取引事例を1事例だけ参考にして、営業担当者の主観で価格査定を行うこともよくある。

 下の表は、査定価格に影響を与える代表的な要素をまとめたものだ。「価格査定マニュアル」では、これらの各要素をポイント化し、最終的に算出された点数をもとに査定を行っている。

◆査定価格に影響を与える主な要素
中古マンション
・交通の便
・立地条件
・住戸位置(包囲、日照など)
・専有部分の価値(仕様、維持管理条項など)
・敷地(所有権、借地権のどちらか)
・共有部分の価値
・設備・施設のグレード
・維持管理の内容
土地
・交通の便
・近隣の状況
・環境(騒音、日照など)
・供給処理施設(排水施設など)
・街路状況
・画地の状況(間口、形状)
 ※「価格査定マニュアル」(不動産流通推進センター)を参考に作成

 たとえば、夜景が美しいなど「眺望の良さ」はマンションにとって、かなりのプラス材料になる。他の物件との差別化が図りやすいからだ。戸建てについては、近年、特に重視したいのは「耐震性」と「隣地との境界状況」だ。耐震基準適合証明書や確定測量図があると、買主が安心して購入できるため、査定価格を高くしやすい。

 また、マンション、戸建てなどの建物部分において重要度が高いのは「部屋の状態」である。壁紙が剥がれていたり、室内の汚れが激しかったりすると、査定価格は大きく下がる。買主からすれば、入居後のリフォームが前提となるため、その費用分以上のお得感がないと手を伸ばしにくい。

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 なお、戸建ての建物部分については、建材のグレードや築年数から価格を出す「原価方式」も使われるが、建物の価値を低く見がちな日本ではあまり普及していない。

査定価格には、各社の営業スタンスも反映されている

 では複数の不動産会社に価格査定してもらったらどうすればいいのか。

 現実には、ほぼ査定価格どおりに家を売却できると信じている人が少なくない。そのため、高い査定価格をつけた不動産会社に疑いもなく仲介を頼みがちだ。

 「査定価格を高めに提示し、無理やり専任媒介契約を結ばせるのは常套手段です。タチの悪い業者になると、そこから買主のつかないことを理由に売り出し価格を下げさせ、自社にとって実入りの大きい両手取引の成立に持っていきます」(中堅不動産会社幹部)

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>> 大手不動産仲介会社では、「両手取引」が蔓延?! 不動産売却時は、「両手比率」が高い会社に注意を

 反対に、売却が長期化することのないように、初めから査定価格を抑え気味に提示してくるところもある。一物件あたりの利ざやが薄くても、短期間で物件をさばいたほうが、会社としてはコンスタントに利益を残しやすいからだ。

 このように査定価格には、不動産会社の営業スタンスによって大きく変動する。それゆえ、査定価格の高低だけで依頼先を決めるのは避けたい。査定の根拠や販売戦略、担当者の人柄などをトータルに判断したいものだ。

担当者の"主観"に注意!

 なお、担当者の個人的な経験、主観を拠り所に「これくらいだろう」と価格を提示してくることもあるので注意したい。

 「同じ会社の人間が同じ物件を査定したとしても、どうしても担当者によって査定額に差が出ます。部屋の傷み具合や眺望の良さを測るのは、結局、担当者の主観ですから」(大手不動産会社、営業担当者)

 特に担当者が査定価格の根拠として、過去の事例をむやみに持ち出してくるようなケースは、価格にばらつきが出やすい。

 「先日、類似物件を扱ったことがあるが、かなり苦戦した。実感として、客の動きが悪いので、これくらいの価格で考えていたほうがいい」
「このあたりは人気エリアではないので、相場はこの程度。1年前に近くのマンションを売りに出したときも、3300万円では客がつかなかったが、300万円下げたところ即決した」

 いずれも担当者の個人的な体験が感覚値として残っているだけで、「現在、いくらで売れるか」の根拠としては貧弱だ。わずか1カ月経っただけでも、買いたい人の数や競合物件は変化する。

 また、査定価格の算出に必要な取引事例をピックアップする際の基準は、担当者によってまちまちなことが多い。エリアの範囲や年月、物件のタイプやグレードなど、抽出条件の設定次第で、実は、査定価格は高くも低くも操作できる。

 抽出条件は販売戦略と表裏一体のものだ。ターゲットをファミリー世帯に置くなら、そうした物件を抽出することになるし、同じ物件でも眺望がセールスポイントになると考えているなら、ディンクス向けの物件も抽出対象にすることで、より正確な価格査定が可能になる。

競合物件を、きちんと調べているかが重要!

 もう一点、気にすべきなのは、競合物件の有無だ。

「不動産会社や担当者の能力がわかる質問があります。『現在、競合となる売り出し中の物件がどれくらいあるか?』『その影響はどれくらい出そうか?』と尋ねてみてください」(前出・高橋正典氏)

 理論的には正しい査定価格であっても、買主の視点で見ないと、本当の査定価格は算出できない。例えば、同じマンション内に競合物件が売りに出ていたとする。同タイプだが、売り出し価格はこちらより200万円ほど安いとしよう。こうした場合、こちらの査定価格は理論的に適切であっても、買主が付きづらくなるのは説明するまでもない。こちらも価格を下げるか、腰を据えて相手の物件が売れてしまうのを待つしかないだろう。

 逆に、近隣に競合物件がほとんどないようなケースであれば、査定価格よりも強気な価格で売り出しても、買主に与える影響は少ない。価格を比較される物件がないためだ。

 このように優秀な不動産会社や担当者であれば、過去だけでなく、現在のリアルな市場についてアンテナを張っていて、敏感に対応するはずだ。少なくとも「査定価格で売れればラッキー。多少下がるのが当たり前」と思っている不動産会社や担当者に、それ以上の価格で売却を成立させることはできない。

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売りたい不動産の強み、弱みを把握しよう

 査定価格は単なる数字だが、その裏にはいろいろな計算や思惑が入っている。それを把握するためにも、複数の不動産会社に査定してもらおう。複数の不動産会社に査定してもらうのであれば、一括査定サイトなどを活用してもいい。売りたい不動産の強み、弱み、市場価値などを把握して、上手に売却しよう。

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<不動産売却の基礎編>
相場を知るために、まずは「一括査定」を活用!

 不動産の売却に先駆けて、まずは相場を知っておきたいという人は多いが、それには多数の不動産会社に査定をしてもらうのがいい。

 そのために便利なのが「不動産一括査定サイト」だ。一括査定サイトで売却する予定の不動産情報と個人情報を入力すれば、最大6社程度から査定してもらうことができる。不動産の相場観が分かるだけでなく、きちんと売却してくれるパートナーである不動産会社を見つけられる可能性が高まるだろう。

 ただし、査定価格が高いからという理由だけでその不動産会社を信用しないほうがいい。契約を取りたいがために、無理な高値を提示する不動産会社が増加している。

 「大手に頼んでおけば安心」という人も多いが、不動産業界は大手企業であっても、売り手を無視した手数料稼ぎ(これを囲い込みという)に走りがちな企業がある。

 なので、一括査定で複数の不動産会社と接触したら、査定価格ばかりを見るのではなく、「売り手の話を聞いてくれて誠実な対応をしているか」、「価格の根拠をきちんと話せるか」、「売却に向けたシナリオを話せるか」といったポイントをチェックするのがいいだろう。

 以下が主な「不動産一括査定サイト」なので上手に活用しよう。

■相場を知るのに、おすすめの「不動産一括査定サイト」はこちら!
◆HOME4U(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、ビル、アパート、店舗・事務所
掲載する不動産会社数 900社 不動産一括査定サイト「HOME4U」の公式サイトはこちら
サービス開始 2001年
運営会社 NTTデータ・スマートソーシング(東証一部子会社)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、日本初の一括査定サービスであり、運営会社はNTTデータグループで安心感がある点。弱点は、提携会社数がやや少なめであること。
HOME4U公式サイトはこちら
◆イエウール(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1400社以上 不動産一括査定サイト「イエウール」の公式サイトはこちら
サービス開始 2014年
運営会社 Speee
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、掲載する会社数が多く、掲載企業の一覧も掲載しており、各社のアピールポイントなども見られる点弱点は、サービスを開始してまだ日が浅い点。
イエウール公式サイトはこちら
◆LIFULL HOME'S(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、倉庫・工場、投資用物件
掲載する不動産会社数 1692社(2018年8月)
サービス開始 2008年
運営会社 LIFULL(東証一部)
紹介会社数 最大6社
【ポイント】強みは、匿名査定も可能で安心であるほか、日本最大級の不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」が運営している点弱点は大手の不動産仲介会社が多くはないこと。
LIFULL HOME'S公式サイトはこちら
◆スマイスター(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫
掲載する不動産会社数 1400社 不動産一括査定サイト「スマイスター」の公式サイトはこちら
サービス開始 2006年
運営会社 リビン・テクノロジーズ
紹介会社数 最大6社(売却6社、賃貸、買取)
【ポイント】強みは、掲載している不動産仲介会社数が多く、マンション、戸建て、土地以外の工場、倉庫、農地も取り扱いがある点。弱点は、運営会社が広告代理店で上場していないこと。
スマイスター公式サイトはこちら
◆イエイ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション、戸建て、土地、投資用物件、ビル、店舗、工場、倉庫、農地
掲載する不動産会社数 1000社 不動産一括査定サイト「イエイ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2007年
運営会社 セカイエ
紹介会社数 最大6社
【ポイント】 強みは、サービス開始から10年以上という実績があるほか、対象となる不動産の種類も多い。「お断り代行」という他社にないサービスもある。弱点は、経営母体の規模が小さいこと。
イエイ公式サイトはこちら
◆マンションナビ(不動産一括査定サイト)
対応物件の種類 マンション
掲載する不動産会社数 900社超、2500店舗 不動産一括査定サイト「マンションナビ」の公式サイトはこちら
サービス開始 2011年
運営会社 マンションリサーチ
紹介会社数 最大9社(売却・買取6社、賃貸3社)
【ポイント】 強みは、マンションに特化しており、マンション売却査定は6社まで、賃貸に出す場合の査定3社まで対応している点。弱点は、比較的サービス開始から日が浅く、取扱い物件がマンションしかない点。
マンションナビ公式サイトはこちら
Special topics pr


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