「当社が全国の経営層、人事総務担当者、一般社員の計2009人を対象に行ったアンケート調査によると、『ライフ面の従業員支援がワーク面によい影響を及ぼすと思うか』という問いに対し、経営層と人事総務担当者の約6割は『そう思う』と回答しました。ところが、実際に福利厚生やワーク・ライフ・バランスの推進、資格取得支援などのサービスを社員に提供している企業は、大企業でも6~7割、従業員数100人以下の中小企業では4~5割程度にとどまっています」と語るのは、野村不動産都市開発第一事業本部企画室イノベーション推進課の桑原利充課長である。

オフィスビル入居テナントなら実質コストゼロで使える 社員のウェルビーイングをワークとライフの両輪で支える新サービス<br />野村不動産
都市開発第一事業本部 企画室 イノベーション推進課
桑原利充課長
2011年野村不動産入社後、一貫してオフィス事業に従事。 中規模ハイグレードオフィス「PMO/ピーエムオー」の開発用地取得、サービス付小規模オフィス「H1O/エイチワンオー」の新規立ち上げ、今回リリースする「NOMURA WORK-LIFE PLUS」に携わる。

ボトルネックとなっているのは、コストと管理体制である。例えば、福利厚生サービスを社員に提供したいと考えてはいるものの導入できない理由の上位に「必要な予算を確保できない」と答えた人事総務担当者は全体の22%、「ノウハウが不足している」との回答は14.3%にも上った(下図参照)。

「従業員数の少ない中堅・中小企業や、創業して間もないスタートアップ、ベンチャー企業などは、予算がネックとなって十分な福利厚生サービスを社員に提供できていないことが明らかになりました。小規模な会社は、人事や総務の仕事を少ない人数で担っているので、福利厚生専任の担当者を置けず、ノウハウが蓄積できないという課題を抱えているようです」と桑原課長は分析する。

パソコンやスマートフォンで申し込み可能。人事総務担当者の手を煩わせない

そうした企業の社員向けサービスにまつわる課題を解決するため、野村不動産が提供を開始したのが、オフィスビル入居テナント向けサービスプラットフォーム「NOMURA WORK-LIFE PLUS」(ノムラワークライフプラス)である。

これは、野村不動産が運営するオフィスビルに入居するテナント向けに、多様な働き方を実現できるサービスだけでなく、ビジネスの課題解決、社員のスキルアップ、福利厚生に関するサービスまで提供するプラットフォームだ。

詳しいサービス内容は後述するが、野村不動産は、このプラットフォームを同社が運営するオフィスビルに入居する企業の全ての従業員が利用できるようにしている。しかも、初期費用・月額基本料金なしで利用できるようにしているのが大きな特徴だ。

つまり、同社のオフィスビルに入居している企業であれば、“実質コストゼロ”で多様なサービスを社員に提供できるのである。