創業以来変わらない想い
「すべての人に働く機会と選択肢を提供」
「50年前、創業者の篠原欣子(現パーソルホールディングス名誉会長)が『女性が世の中で働く機会がないという社会問題に対して、働く機会を提供する会社をつくろう』と、起業したのがわれわれのベースとなっています。その後も時代に合わせて、多様な個人が活躍できる社会を目指し、“はたらく”に関するさまざまなサービスを提供してきました。この想いは創業以来、変わることがありません」。そう語るのはパーソルホールディングスの和田孝雄社長である。
和田孝雄
代表取締役社長CEO
わだ・たかお/京都市生まれ。立命館大学卒業。人材派遣事業のビジネスモデルに可能性を感じ、1991年にテンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)に入社。事務・技術者派遣事業を経て、創業者の篠原欣子が目指す「雇用の創造」を実現するため、2010年にアウトソーシング事業を立ち上げ、新たな屋台骨を確立。16年同社代表取締役社長就任を経て、20年にパーソルホールディングス取締役副社長執行役に就任し、グループ全事業を統括。21年4月より現職。「不易流行」を経営の信条とする。
パーソルグループは人材派遣や転職サービスといった人と組織に関わるさまざまなサービスを提供している。つまり、人材がビジネスの中核であり、人の活躍から全ての成果が生まれるビジネスモデルである。
2019年にはパーソルグループが実現したい社会として、グループビジョン『はたらいて、笑おう。』を発表した。
「『はたらいて、笑おう。』には、多様な価値観を持った個人に向き合い、世界中の誰もが『はたらいて、笑おう。』を実感できる未来をつくっていきたいという想いを込めています」(和田社長)
同年、パーソルグループは、『はたらいて、笑おう。』の実現に向けて、一人一人が能力を最大限発揮し、活躍できる風土をつくることを目標としたDI&Eの方針を発表。多様な人材が活躍できる組織を目指し、最初の一歩として重要施策に女性活躍推進を位置付け、女性管理職比率の向上を指標に具体的な取り組みをスタートした。
さらに、先日発表した「パーソルグループ中期経営計画2026」では、会社のありたい姿として「“はたらくWell-being”創造カンパニー」を宣言した。
「近年、新しい社会の価値基準として、『Well-being(ウェルビーイング)』が世界的に注目されています。今まで社会の価値基準は、経済成長を目指すGDPが中心でしたが、持続可能な成長を目指すSDGs、そして個人が主観的に感じる幸せや社会の幸せを目指す『Well-being』へと徐々に変化してきています。『はたらく』においても、主観的幸福度の高い人はそうでない人に比べて創造性は3倍、生産性は31%高く、また選択肢が増えると未来への期待が高まる傾向にあることが分かっています。私たちパーソルは、一人一人が、自分自身の可能性や働く自由を広げていけるよう、『あらゆる人のはたらく選択肢を増やし、機会を提供』していくことこそが使命です」(和田社長)。パーソルグループの社員一人一人が社会の課題を解決する人材として活躍し、価値創造の担い手として企業の成長を実現していく。
次ページからは、多様なバックグラウンドや特性を持つパーソルの社員たちが“はたらくWell-being”を実感しながら働くことで、創造を推進していく好循環を生んでいく様子を見ていく。