今回、パーソルグループの変化を感じている2人の女性管理職から話を聞いた。
過去2度の産休・復職を経験している、パーソルテンプスタッフの島田純代室長。「かつては夜6時から、定例会議が行われていました。保育園のお迎えもあり参加できなかった私は、朝会社に来るといろいろなことが決まっていて、情報に追い付くだけで精いっぱいでした」と振り返る。
研究開発事業本部 研究開発特派事業部
西日本キャリアマネジメント室
島田純代
室長
しまだ・すみよ/2006年テンプスタッフ(現パーソルテンプスタッフ)に入社。その後一貫して医薬・化学業界を主とした研究開発分野の人材派遣事業部門に所属。営業・コーディネーターを経て(その間に育休を2回取得)、18年よりキャリアマネジメントとして、正社員型派遣社員の人材育成・キャリア形成支援を担当。20年より現職。
1回目の産休が明けたとき、上司の配慮により仕事量が減ってしまった。時短勤務とはいえ、物足りなさを感じ相談したところ、今度は業務量と裁量が産休前と全く同じ状況に。突発的な残業対応と子育てで、どちらかは破綻してしまうのではと危機感を感じながらも腹をくくるしかなかったという。
しかし、こうした状況も2人目の産休の後には変わっていたという。特に肌で変化を感じたのは、ここ2、3年。まさに、和田社長をはじめとした経営が意志を固め、ジェンダーダイバーシティ委員会が立ち上がりさまざまな施策が走りだした時期である。
ここまでの変化が起きた理由を、島田室長は「上下から挟むように変化を促したから」と分析する。経営陣からはっきりとしたメッセージが発せられたこと。そして現場で女性リーダーが増えていったこと。そのような変化の中で、間に挟まれた男性陣もどんどん変わっていった。
「その時期から、私が所属した部署はもちろん、会社全体としても、小さな子がいるママでも、時短でも、能力・実力があれば管理職になれる」という空気に変わってきたという。そして、それを証明するかのように自身も管理職となった。「会社が変わっているのを実感する毎日です」と笑顔を見せる。
少なかったキャリア形成のロールモデル
入社6年目で管理職になったパーソルプロセス&テクノロジーの菅沼流花マネージャーは、「女性の場合、キャリア形成のロールモデルに関しても、少なかった」と語る。周りに20代・女性でリーダーとなったり管理職に着任したケースが少なく、キャリアに関する多様なロールモデルがなかったこともあり、自分にリーダーが務まるのかどうか悩み続けていたという。「自分より年上のメンバーのマネジメントができるだろうか」「年齢が上の顧客にうまく対応できるだろうか」――。その不安を受け止めたのが、上長だった。「マネジメントをしながらその経験を積めばいい。しっかりフォローしていくから大丈夫」という言葉をもらったことで、チャレンジできたと語る。
ビジネスエンジニアリング部
ICTアウトソーシング統括部
菅沼流花
マネージャー
すがぬま・るか/2016年に新卒でパーソルプロセス&テクノロジーに入社。メンバー時代は大手通信キャリアのNW回線保守業務や自社社内ヘルプデスクにて業務の立ち上げや業務改善を経験。新卒4年目でリーダーに着任し、プロジェクト売り上げ170%成長を達成し着任後半年で半期リーダーMVP賞受賞。新卒6年目でマネージャーに着任し、現在は9プロジェクト、社員70人以上を管掌。部のタスクフォースでは、ダイバーシティ施策のオーナーも担当。
「今私は、管理職を目指すプロジェクトリーダーを増やすべく、フォローの仕組みを作ることに力を入れています。例えば、未就学児を持つ女性リーダーが、お子さんの病気などで突発的に休むことになったとき、メンバーにフォローしてもらいたいことを洗い出し・可視化して部内に展開しました。こういった『フォローのサイクル』ができたことで、管理職にチャレンジする女性も増えていくと思います」。そう語る菅沼氏の部署は、現在プロジェクトリーダーの男女比率がすでに5対5となっている。