「ビジネスモデル・イノベーションは天才でなくても起こせる」。すなわち基本的なパターンを組み合わせ、発想を広げればいい、と板橋氏は言う。その実践方法として、前回、組み合わせの基となるプロトタイプをつくった。今回はいよいよつくりあげたプロトタイプを組み合わせて発想を広げ、それを自社に展開することで新たなビジネスモデルを生み出す手法を紹介する。大好評の「ビジネスモデル・デザイン」連載、ついに最終回。

 「モノ」で儲けるか、「コト」で儲けるか

前回は、ビジネスモデルの「プロトタイプ」をチームでつくるプロセスを、架空の文房具メーカーB社を設定し解説しました。今回は、そのプロトタイプを組み合わせ、さらに「アナロジー発想」で取り込むことにより、実在する消費財メーカーA社が実務で使えるビジネスモデルに落とし込んでいきます【図1】。

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【図1】ビジネスモデルのアナロジー発想

 まず最初に、B社のビジネスモデルのプロトタイプの中から、事業構造が大きく異なる2案をご紹介します。1つは、「モノ」で儲けるビジネスモデル。もう1つは、「コト(=モノ+サービス)」で儲けるビジネスモデルです。その次に、実際にA社が採用したビジネスモデルをご紹介します。それでは、「ビジネスモデル・キャンバス」と「ピクト図」の2つを使って、具体的にみていきましょう。