女子校ならではの琴の合奏風景。文化祭では生徒が舞台を取り仕切る(大妻中学高等学校)

生徒文化とクラブ活動

 第3の心掛けは何か。それは生徒文化である。これは教員文化と同じくらい重いものである。

 それを知るためには、学校説明会よりも文化祭や体育祭で、生徒同士あるいは生徒と教員の関係を観察することだ。文化祭では芸術面の発表が多いので、クラブ活動がどのくらいの水準にあるかも分かる。

 教員と生徒の関係を見ていれば、その学校が権威的なのか親和的なのか、規律の有無や育てようという意識(インキュベーター)の強さが分かる。これはどちらが良い悪いではなく、お子さんにとって、どちらが好ましいかという問題だ。

 クラブ活動の実態を知ることは第4の心掛けとなる。子どもにとっては、学校生活の半分以上を占めるほど重いものとなるからだ。その活動水準も含めて、やりがいがあるかが確認点となる。

校舎の清潔さが示すもの

 5つ目の心掛けは少し毛色が違う。校舎が清潔であるかどうか。これにはトイレのきれいさもあるし、掲示物の様子もある。こうした部分が雑であると、教員がきちんとマネジメントできていないことがうかがえる。それは担任力の問題と言い換えてもいい。

 実のところ、学校は担任で持っている。合同説明会などに担任の先生が来ることはあまりない。こうした学校訪問で、「担任力」を知ることも大切である。

 行きたい学校は毎年訪問してみよう。年ごとの変化が分かる。説明会にいろいろな先生が出てくるようならなおいい。

 「廊下のつぶやき」と呼んでいるが、すれ違った時などに簡単な質問をすると、教員の日常性がうかがえる。どのように答えてくるかでそれを判断できる。

 ちなみに、受験生(場合によっては親)のその学校への熱意を示すため、学校説明会に毎回参加する方がいる。不公平が生じるので、少なくとも中堅上位校では「熱意」が合否に結び付くことはない。

 では、学校側は何によって「熱意」を感じ取るのかといえば、それは複数回の入試を受験する場合である。第一志望であると判断されることになる。

 なお、競争倍率も低い中位校以下では、学校訪問を繰り返すと校長以下の先生方に顔を覚えられることもある。これもまた「熱意」を示す手段とはなりうる。