躍進する東洋英和、恵泉と湘南白百合が人気
女子の強気と短期決戦志向が2020年入試の特徴であり、2日の午後入試がたいへん多いのもその表れだ。その兆候は3日にまで及んでおり、午前午後と受け続けることが可能なラインナップとなっている。
女子の難関・上位校は出願を締め切ったところが多い。2日が1回目の入試となる白百合学園は、前年比58人増の373人と厳しい入試となっている。同じ2日の鎌倉女学院は39人減らしており、1日同様、女子上位層の東京志向をうかがわせる。
では、2日の入試を順に見ていこう。いずれもまだ出願可能で、この数日間で大きく情勢が変わるかもしれない。
東京の御三家、特に桜蔭の併願校として大人気の豊島岡女子学園は2日が1回目の入試となる。前年は1074人と驚異の数字を叩き出した。今年もすでに1060人を数えている。これに次ぐのが、1日入試は大きく緩和気味だった吉祥女子で、難関校を狙う女子の併願先として2日は大人気となっており、959人まで志願者が増えた。
神奈川では湘南白百合が人気となっている。いずれも2日に行われる入試のうち、午前の4教科入試は前年をすでに15人上回っている。新設された午後の算数1教科入試は146人と大人気である。募集人員は午前の45人に対して午後は15人と3分の1の狭き門で、かなりハードな入試になることは間違いない。湘南白百合の算数1科は2020年入試のヒット作といえそうだ。
2日最大の注目校は恵泉女学園で、1日午後入試も人気だったが、2日の午後入試もすでに前年を129人も上回っている。ここ数年復調気味の田園調布学園も現時点で前年並みを確保、勢いがある。
2日でいえば、光塩女子学院の4教科型で募集人員約50人の2回目は15人増と好調だ。1日実施の総合型入試は98人を集めている。午後入試を新設した富士見は、午前入試と合わせると前年実績を超えている。前年の半分程度になっている千葉からの受験生も多い江戸川女子の午後入試共々、2日の女子校午後入試の勢いが本物なのか、注目される入試ではある。
2日の穴場校はどこか。1日に続いて、前年より3分の1少ない状態の大妻である。大妻中野の午後入試も同様に出足が遅い。
3日入試最大の注目校は2日から入試日を移した東洋英和女学院だろう。前年比151人増。1日も大きく志願者を伸ばしている。付属校では、日本女子大学附属が1割以上増やしたのに対して、学習院女子は46人減らして明暗を分けた。
短期決戦志向もあってか、3日入試の出足はどこも鈍い。1日は横浜御三家で唯一志願者増の横浜共立学園が3日の入試ではほぼ半減となっている。穴場の入試は2日同様、大妻が筆頭で、次いで鷗友学園女子、東京女学館となる。