難関・上位校に多い鉄道同好会的な部活動
鉄道好き(鉄ちゃん)の幅は広い。車両研究、写真撮影(撮り鉄)、乗車(乗り鉄)、関連グッズのコレクターなどは外で見かけることも多いが、どちらかというとインドア派の鉄道模型、時刻表、駅や鉄道の歴史や制度など研究志向の強い人もいる。もちろん、いくつかの分野を兼ねることは珍しくない。
志望校を選ぶとき、部活動が決め手となることはままある。伝統的な男子校、とりわけ難関・上位校にはだいたい鉄道同好会的な部活動がそろっている。開成学園鉄道研究部、麻布学園鉄道研究部、武蔵高中鉄道研究部、筑波大学附属駒場中高鉄道研究部、早稲田中学高等学校鉄道研究部、早稲田大学高等学院鉄道研究部、聖光学院交通研究部、灘校鉄道研究部、東大寺学園鉄道研究部など、枚挙に暇ない。
もちろん共学校にもあるし、まだ数は少ないが女子校にもできてきている。こうした鉄道好きの部活が一堂に会するイベントの一つに、全国高等学校鉄道模型コンテストがある。新型コロナウイルスの影響で、今年8月の九州(福岡)は中止となったが、11月には東京で予定されている。
2019年に東京ビッグサイトで行われた第11回のコンテストの様子を見てみよう。HO車輌部門、一畳レイアウト部門、モジュール部門と3つの部門があり、特にモジュール部門の優勝校は海外の鉄道模型イベントへ招待され、ドイツ・シュツットガルトの「ヨーロピアンNゲージコンベンション」に出展している。
出場校数が140を超え、台湾からも彰化県立2校の参加があったこの「鉄道部の甲子園」、会場で目を引いたのが女子生徒の姿で、共立女子や白梅学園清修、普連土学園といった女子校からの参加もあった。
2019年の最優秀賞は、HO車輌部門が神戸市立科学技術高校、一畳レイアウト部門が岩倉高校、そしてモジュール部門では広島城北中・高校が選ばれている。
主催者は、鉄道模型でジオラマを作り上げることはScience(科学)、Technology(技術)、Engineering(エンジニアリング)、Art(芸術)、Mathematics(数学)からなるSTEAMの力をすべて発揮できると強調するが、実物を見ればそのことがきっと実感できるはずだ。