公立校の躍進が目立つランキング 

 ベスト50位までを見ると、国公立校が約半数を占めていることに気づくだろう。前回よりわずかに増加しているが、東京都立の進学指導重点校では、11位西、12位国立、17位日比谷、20位青山、47位立川と指定7校中5校が入っている。ちなみに戸山は97位、八王子東は121位だった。

 神奈川の学力向上進学重点校からは、アドバンス校として指定校の牽引役を務める25位横浜翠嵐と先述した4位湘南を筆頭に、9位川和、19位柏陽が入っている。埼玉は27位県立浦和、50位大宮、千葉は10位県立千葉、33位県立船橋という昔からのトップ校が並ぶ。

 注目したいのが公立中高一貫校で、21位桜修館、35位小石川、38位南多摩、49位立川国際といずれも都立が顔を出している。こうした学校では私立上位校と伍(ご)して、難関私立大学合格実績に力を入れている様子もうかがえる。公立校のランキングを扱う際に詳しく見てみたい。

 首都圏以外の学校はどうか。34位茨木と40位豊中は大阪府のグローバルリーダーズハイスクール(以前の進学指導特色校)に含まれ、府立御三家(北野、天王寺、大手前)に次ぐ位置付けの学校であり、42位明和は愛知県では旭丘、岡崎、一宮と並ぶ県立伝統校として有名である。

 私立中高一貫校の場合、ランキングをめぐる男子校と女子校の争いは結構熾烈なものがある。今回は男子校の躍進が目立ったのだが、上位20校では女子校の健闘が光っている。私立共学校に関しては、渋谷教育学園の24位渋谷と46位幕張、千葉にある28位市川と32位昭和学院秀英の4校しか見当たらない。

 「国公立100大学合格力」ランキングでも触れたように、2020年の受験生は安全第一が最大の特徴といっていい状態だった。定員厳格化により、以前ならば難関国立大と早慶上理の併願が王道だったが、MARCHも押さえておかないと浪人の危機が高まるということで、ランクを下げる動きが強まっている。2021年入試ではコロナ不況が顕在化することになるだけに、私立大学の受験動向にも影響が出ることは間違いなさそうだ。