首都圏公立校の現状を見ると
11位から20位までのランキングを見ていくと、11位金沢泉丘(石川)、12位明和(愛知)と熊本(熊本)、14位茨木(大阪)、16位高松(香川)、18位仙台第二(宮城)、19位長田(兵庫)、20位山口(山口)と膳所(滋賀)といった具合に各県のトップ校が名を連ねており、順位変動は別として、安定感はある。
次ページに39位までの公立校ランキングを載せているが、注目すべきは、首都圏1都3県の公立校が、その中に東京の国立(くにたち。35位)だけしかないことだろうか。ベスト60まで見ても、46位浦和(埼玉)しか見当たらない。
こちらは全国順位ではあるが、100位西、115位日比谷(ともに東京)、129位横浜翠嵐、153位湘南(ともに神奈川)、111位船橋(千葉)がかろうじて100位台にあるくらいで、総じて振るわない。
東京大をはじめとする難関国立大や国公立医学部の合格者実績で、首都圏の公立校も善戦しているのだが、早慶上理やMARCHといった難関私立大への進学という選択肢もあるため、どうしても国公立大の物差しで比較すると全国的には引けを取ってしまうことは致し方ないのかもしれない。
最後に公立校ランキングの上位に入っている、公立の中高一貫校について触れておきたい。
28位の広島(全国44位)は、2004年に開校した県立初の中高一貫校である。国立の広島大学附属の2校(広島、福山)、私立の広島学院や修道、ノートルダム清心といったライバル校に伍して健闘している。
掲載した表にはないが、公立校ランキング46位の長崎東(長崎)、50位の楠隼(鹿児島)、59位西京(京都)なども公立の中高一貫校である。39位の水戸第一(茨城)はライバルの土浦第一と共に、2021年から中学を併設して一貫化するため、こうした学校と同様に、公立中高一貫校の上位校の仲間入りをすることになるだろう。