面接中止で学力試験一本化の流れに
入試初日まで3週間を切った東京と神奈川では、受験申し込みの開始に合わせて、いくつかの動きが顕在化している。
まず、面接を取りやめることにした学校が女子校を中心に相次いでいる。東京女子御三家では雙葉と女子学院が中止を発表、桜蔭は「対面での接触を避けるため、口頭ではなく記述による方法に変更」することにした。横浜女子御三家では、フェリス女学院が例年午後に行っていた人物考査(面接)を中止、横浜雙葉では合否判定とは別に例年1月に実施している保護者同伴の面接中止を決めている。
ミッション系の女子校では、香蘭女学校も面接を中止、立教女学院も2月1日の筆記試験に先立ち1月30日に行う予定だった面接を中止して筆記試験のみで一般試験を行うことになった。頌栄女子学院では12月段階で一般生入学試験については、受験生保護者同伴面接を取りやめ、保護者のみの面接を実施するとしていたが、今回改めて、それも取りやめることにした。もっとも、多くの学校同様、帰国生入試では従来通り受験生・保護者同伴の面接を実施する。
男子校ではそもそも面接を行う学校が少ないのだが、早稲田大学高等学院中学部では9月の段階でいち早く中止を表明している。一方の慶應義塾普通部では、現段階では面接の中止は発表していない。
他にも、新型コロナ禍による学習進度の遅れや試験時間の短縮という観点から、入試の見直しを行う学校も出ている。日本大学第二は昨年秋の段階ですでに国語と算数を各40分とし、国語は長文2題を1題に、算数は⼤問をいくつか削減し問題数を減らす。理科と社会は合わせて40分で実施、理科は小5までの範囲で出題、社会は小6後半で学ぶ公民分野を歴史分野の問題と選択にする。共立女子も同様に社会・理科各35分・各75点満点を、社理合わせて50分・各50点満点(計100点満点)に変更することにした。
追試を設定する学校は引き続き増加している。何人受験するかは不明だが、そのために作問が必要となる。必ず作成する予備問題を流用するのかもしれないが、一部の学校では応相談で個別に対応するというのもうなずけるところだ。学力を測るだけなら、毎月のように実施されている模試の成績を参考に合否を判断することも可能だが、この“禁断の木の実”に手を出す学校はまだないようだ。