3日午前入試の注目校

 まずは3日午前に実施され、出願がまだ間に合う東京23区の主な入試から見ていきたい。表1のように、男女別学校が多く並んでいる。いずれの学校も最初の入試は2日までに実施済みだが、この段階ではAランクの学校からまんべんなく並んでいる。2020年の実倍率を見ても、全入状態のものから10倍を超えるものまで幅広い。

 いくつか難関・上位校の最新情勢を見ておこう。表1の東京23区では、豊島岡女子学園(2回)は1割弱出願者を減らしそうだが、2020年の実倍率が6.5倍もあるため、緩和感はあまり感じられないだろう。1日1回が前年比2割強増となった鷗友学園女子は、2回も同様の勢いで出願を増やしている。全般的に前年より出願者が増加、回を追うほど勢いを増している大妻の3回は3割ほど出願が増えそうだ。一方、東京女学館(一般学級4回)は3割弱減らしそうな勢いで狙い目、富士見(3回)は2割弱伸びそうだ。男子校では学習院(一般2回)がほぼ前年並みの見込みで、成城(2回)は1割強減らしそうだ。

 次ページの表2では、今年は全般的に好調な晃華学園が、1日の1回が前年より1割以上増やし、3回は3割増の勢いである。男子校では、逗子開成(2次)が1割以上伸ばす勢いである。1月実施の一般1回が前年より1割減だった立教新座の一般2回は5倍超の前年実倍率を敬遠されてか激減しそうな様相で、大穴となりそうだ。

 共学校では、法政大学(2回)は1割以上出願者が増加しそうで、男女計400人超えは間違いない。明治大学付属中野八王子(A方式2回)では男子が大きく増加傾向なのに対して女子はほぼ前年並みとなりそうだ。公文国際学園(B)は男子が1割減らした1日のAに続き軟調なのに対して、女子は2割以上増加の勢いと分かれている。1日の1回が絶好調の桐蔭学園(3回)は女子が減少気味だが、男子は大きく伸ばしそうだ。専修大学松戸(3回)は前年並みを確保できるか注目される。

 GMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)への2020年合格実績を元に、6年間で学力を大きく伸ばした学校を調べたところ、表1の男子では足立学園、京華、東京成徳大学、日本大学豊山、佼成学園、女子では佼成学園女子、次ページの表2の男子では聖徳学園、多摩大学附属聖ヶ丘、女子では白梅学園清修、武蔵野大学の名前が挙がった。後にも触れるが、こうした「入りやすくてお得な学校」が3日以降の入試にもまだある点を留意しておきたい。

 後編では、3日午後以降の入試について見ていきたい。