多様性に富む3日午後と4日の入試

 前ページの表4にある帝京大学(3回)は3割前後減らし、3倍台の実倍率に迫りそうだ。女子の出願者が男子の2倍以上いる青山学院横浜英和は、男子が増加気味で女子は2割前後減りそうな状況だが、C日程も同様で、男子の実倍率は5倍台を維持しそうだ。神奈川の中堅女子校も見ておこう。清泉女学院(3期)は1割以上伸ばしそうで、実倍率も2.2倍に少し上乗せされることになるだろう。全般的に2割ほど出願者が減りそうで、今年は穴場校となっている横浜女学院(E-1)は、アカデミー入試として一番多くの受験生を昨年も集めている。こちらは1割ほどの減少が見込まれるが、実倍率は1.9倍で、これまた受けやすい入試といえる。

 こちらの「入りやすくてお得な学校」としては、桜美林、工学院大学附属、八王子学園八王子、聖セシリア女子が挙げられる。表を一覧すると、教科型ではないユニークな入試も見られる。例えば、多摩大学附属聖ヶ丘のリスニング入試。英語ではなく日本語の文章を聞き取り、配布された課題に答えるというものだ。「A知探Q(英知探究)」を標榜する同校のユニークな試みである。東京純心女子の「タラント発見・発掘型」も名称だけではイメージしにくい入試だが、これまで適性検査型入試で入ってきた生徒の積極性に鑑みて新たに導入したもので、筆記試験だけではなく、自己アピールも含め伝える力をより問う内容となる。

 4日は結構な数の入試がある。どの学校もメインとなる入試を終わらせ、ここからは難関校に夢破れたり、学力試験だけでは計り切れない生徒を募るため、より多彩な入試が行われるようになる。実倍率5倍以上のハードな入試と全入に近い倍率が入り交じっており、場合によってはお得な入試が見つかるかもしれない。

 4日の東京23区は数が多いので、表5と表6の2つに分けた。このあたりからちらほら、英語のにおいが漂ってくる。小学校でも教科化が始まることで、英語での試験や英検取得者への優遇を行う学校が年々増加してきている。高校入試同様、英国数の3教科型が中学入試でも今後、新たな入試として顕在化してくるものとみられる。どのような入試があるのか、表をご覧いただきたい。