男子難関・上位校の人気を分ける要因とは
図2は男子校である。やはり上位受験生の意向が色濃く反映されている。
2月1日の受験者数トップの開成が一番上にあるのは妥当なのだが、それはサピックスの強力な志望状況あってのもので、四谷大塚の志望先トップは早稲田だった。両校に共通するのは、周年事業の一環で校舎を新築したことだろう。それでも卒業生の半分が早稲田大に進学できる早稲田は、究極の二刀流として、実にユニークな立ち位置にあることは間違いない。
ランキングは、麻布、慶應義塾普通部、海城、駒場東邦、聖光学院、早稲田実業学校、武蔵と続いていくのだが、ここで模試による人気校の違いについて見ておきたい。サピックスでは開成、麻布、駒場東邦、海城、早稲田がベスト5で、慶應義塾普通部、聖光学院、筑波大学附属駒場、早稲田大学高等学院、武蔵と続く。これが四谷大塚になると早稲田、開成、武蔵、早稲田大学高等学院、慶應義塾普通部がベスト5で、麻布、本郷、海城、浅野、芝の並び順となる。麻布や武蔵との向き合い方の差に二つの模試受験者層の違いが見られる。
中堅校狙いの多い首都圏模試の人気校はこれらとはだいぶ様相が異なる。上位5校は日本大学豊山、明治大学付属中野、城北、東京都市大学付属、浅野となっている。次いで、本郷、芝は四谷大塚同様なのだが、そして聖学院というあたりに味わいを感じる。どうしても希望に満ちている4月の段階では難関校に目を奪われてしまいがちだが、こうした上位・中堅校へのリアルな人気という視線も保っておきたい。