クラスを三分割して行うベルリッツクラスの授業風景

6クラスのすでに半分は理系

[聞き手] 森上展安(もりがみ・のぶやす) 森上教育研究所代表。1953年岡山生まれ。早稲田大学法学部卒。学習塾「ぶQ」の塾長を経て、88年森上教育研究所を設立。40年にわたり中学受験を見つめてきた第一人者。父母向けセミナー「わが子が伸びる親の『技』研究会」を主宰している。

――教科学習では、英語の時間数が多いですね。

森田 英語4技能に対応するため、週8時間を英語に充てています。5時間は日本人教員が担当する通常授業で、他にネイティブ教員も加わっての英会話を1時間、クラスを三分割して行う中2から高2対象のベルリッツメソッドの授業を2時間行っています。高1生全員と希望者を対象に、1対1でのオンライン英会話も導入しています。

 こうした取り組みの結果、中3では6割の生徒が英検準2級を、高2では6割の生徒が英検2級をそれぞれ取得しています。2021年度には、22人が準1級を、1級を取得した生徒も1人いました。

――理科室も拝見しました。生物・化学・物理の他に、地学の実験室もありますね。

森田 理科共通で使用している実験室を加えると五つあります。理科教育に力を入れてきたこともあり、高2からの文系理系のクラス分けでは、文系と理系が3クラスずつになっています。

――すでに理系の生徒が多いわけですね。

森田 英語や理科での取り組みを生かした上で、生徒・保護者からの要求に応えられる進学の実現にもこだわりたいと思います。これまではできていなかった面もありますが、まだまだポテンシャルのある学校ですので。

 現段階ではまだ具体的にお話できないのですが、将来を見すえて、数学にもテコ入れして指導力を高めていきたいと考えています。

――その人事が発表されると、神奈川県内では話題になるでしょうね。

森田 何かしらの発信をしようと、前任者から引き継いで校長ブログも続けています。私の古巣の愛知や、最近では首都圏だけでなく、北海道や四国、九州からのアクセスも多くあります。全国の高校生が集まるフラ競技大会「フラガールズ甲子園」でダンス部が活躍していることもあって、全国の関係者も見に来ているようです。

五つある理科実験室。伝統校らしく、骨格標本や鉱物標本がたくさん展示されている