各教科の出題傾向と対策

 各教科の出題傾向と対策については、ここでは要点に止めるが、詳細な説明がなされた。

 国語では大問ごとに解説があり、「言葉の知識の問題(20点)」では漢字の読み書き8点、ことわざや慣用句などで12点、採点のポイントは「とめ・はね・はらい」は重視せず、その字特有の骨組みが読み取れればいい。「文章からの問題」は身近で現代的な話題の論理的なもの(説明文、硬めのエッセイも)と文学的なものとで各40点。前書きや注に解くためのヒントがあるとして上で、記述問題では文が未完結のものや字数をオーバーしたものは採点の対象外となること、誤字脱字や文末の呼応が適切ではないものは減点対象となること、指定字数の8割を超えていない解答は内容を見て不足する分を減点することなどが伝えられた。

 算数では、「入試問題は出題者から発せられたメッセージだ」とした上で、「算数特有の内容・解法、数学に繋がっていく内容・解法をしっかり評価できるようにしたい」と抱負を述べた。2019年から出題形式に変更があり、21年でもそれを踏襲する。A・B・Cの午前入試では大問5題で記述式は小問1問のみ、単位は解答用紙に記入済みで、約分や比のミスは減点するとのことだった。

 大問1は計算問題(四則計算、計算の工夫、逆算)4問18点、大問2は基本問題(割合と比、和と差、速さ、数の性質、規則性)3問18点、ここに記述式1問8点も入る。大問3は速さまたは規則性の問題各18点、大問4は平面図形18点、大問5は立体図形18点となっている。午後入試の算数は大問4題(各約25点)で、すべて記述式。大問1は2021年には規則性を、大問2は速さ、大問3は平面図形、大問4は立体図形となっている。図形問題では点差が開く。身に付けているか見たいのは圧倒的な基礎力である。

 社会科は30分でいずれも総合問題の大問3題(各20点)。大問1は地理的分野中心、大問2は歴史的分野中心、大問3は政治・経済・時事問題など中心に。それぞれ説明を求める記述問題(各2点)がある。都道府県や川・平野、人物・文化などを並べて出題する。時事問題はこの秋くらいもしくは予定されているものを対象に、新元号なら昭和や大正、熊本地震なら原因や活断層といった関連事項も把握しておきたい。その場でデータを読み取り考える図表問題、白地図に都市名を記述する作図問題などは2021年にも出題予定。解答は基本的には漢字指定なので誤字に気を付けること。過去問を解くことが一番の対策になる。

 理科は30分で4分野の大問4題(各約15点)。小問数では30問前後となる。幅広く出題するので、天体とか苦手な分野を作らないように。会話文形式の問題は毎年出際されているので、しっかりと何を言っているのか読み取り、ヒントを文章中に見つけること。記述式問題も毎年出題されており、主述関係に気を付けて意味が通る文にすること。社会科同様、理科でも時事問題を出題する年もある。漢字指定は漢字で書かないと不正解に。グラフなどは定規を使う場合があるので持参すること。点をはっきり打ち、原点からの距離が分かるよう作図をしっかりと。正答率が55%とこうした問題は合否を分ける。

 2020年度入試概況・2021年度入試について。「令和2年度入試 正答率・問題解説」で解答・解説・正答率まで記されているので、過去問を解くときには参考にしたい。Web出願なので23時59分まで可能。2月2日の算数午後入試は16時に終了し、21時にはWebで合格発表の予定。

 説明会終了後、希望者には校内見学を実施。印象的だったのは、ホームルーム教室は廊下側もガラス張りで、広めのコモンスペースでもある廊下が明るいことだろうか。教室の前後に黒板があるが、いまではプロジェクターを使用した授業が主になっている。昼食は感染症対策として各自の机で三方を厚紙で囲まれた状態でとることになっており、静か。食堂では弁当を500円で販売しており、パンもある。