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認知症家族が情報交換できる「オレンジカフェ」に行ってみた

吉田由紀子
2016年9月1日
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 皆さんは、「オレンジカフェ」という言葉を耳にしたことはあるだろうか。

 オレンジカフェとは、認知症の患者や家族、地域の人などが集まり、情報交換したり、おしゃべりを楽しんだりする場のこと。お茶を飲みながら心配事を相談し、専門家のアドバイスも受けられる一種のコミュニティである。このオレンジカフェが今、日本全国で急増している。すでに600ヵ所を超え、その数は増加の一途をたどっている。

全国の自治体で急速に増えているオレンジカフェ。誰でも気軽に参加することができ、費用はお茶代程度のところが多い

 大阪市内で、2013年からオレンジカフェを開いている社会福祉法人「ヒューマンライツ福祉協会」を訪ねてみた。

 カフェは月に1度の開催で、場所は市の公共施設だ。この日の参加者は14人。地域のお年寄り、ボランティア、介護関連の専門家など多種多彩な人が集まった。ガラス窓から陽光が差し込む部屋で、なごやかな雰囲気で始まる。ケアマネージャーの司会で、まずはざっくばらんなおしゃべり。初めて参加する人もいたが、すぐに打ち解ける。この日は「認知症予防のために気をつけていること」がテーマだ。

 「ラジオは集中力を養うと聞いたので、テレビではなく、なるべくラジオを聴くようにしている」「つい怒ってしまう気質だが、おだやかに過ごすようにしている」「快食・快眠・快腸を心がけ、できるだけ歩いている」

 笑い声とともにいろいろな声が飛び出す。また、地元の交番から2人の巡査も参加。高齢者を狙った特殊詐欺が急増している状況を解説し、予防法や対処の仕方をわかりやすく話した。

 後半はギターの演奏に合わせて、「知床旅情」「赤とんぼ」などの懐かしい歌を合唱する。歌詞カードを見ながら思い思いに歌う参加者。毎回、趣向を凝らした内容で体操をしたり、楽器演奏を楽しんだりしているという。

 「オレンジカフェと一口に言っても、スタイルは様々です。手工芸をしたり、レクチャーを聞いたり、いろいろなやり方があります。ただ、当事者やご家族に楽しんでもらう、認知症に関して気軽に学んでもらう、という主旨は変わりません」と話すのは、ヒューマンライツ福祉協会の主任、東出そよ美さん。

 運営スタイルは自由だが、オレンジカフェには大事な3つの要素がある。まずは、お茶やお菓子、おしゃべり、アクティビティで参加者が楽しむこと。2つ目は、セミナーや勉強会を通して認知症について学んでもらうこと。3つ目の要素は、連携する医師や看護士に悩み事を相談し、ケアが必要な場合は医療へつなぐこと、だ。

 「ある認知症のご家族が来られた際、『うちの母は風呂が嫌いで、どうしても入ってもらえず困っている』と相談されたことがあるんです。ならば、まず足を洗おうと誘ってはどうかと提案しました。実際に足に湯をかけたら、ついでに全身もシャワーで洗ってもらう。湯を浴びる気持ちよさを実感することで、風呂嫌いが直ったケースもあるんです」。ベテランのケアマネージャーは、こんなエピソードを話してくれた。こういうちょっとしたアイデアを持ち帰り、家庭で実践してみると、認知症ケアに役立つ場合が多いという。

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