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医療・介護 大転換

認知症の人は「知的劣化が進む病気の患者」ではない

認知症ケア先進国・スコットランドの最新事情

浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]
【第41回】 2015年10月14日
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 人口の高齢化による社会保障費の増大は世界各国の共通の課題であり、とりわけ治療薬のない認知症への取り組みは困難を極める。医療だけでは解決できない。どのような対応策が必要か。各国が課題を共有し、共に手を取り合おうと国際会議「サミット」まで開催され出した。

 その中で、先駆的地域が注目されている。英国北部のスコットランドだ。地域を挙げた多くの団体の取り組みで格好のモデルと言われている。認知症の当事者が世界で初めて自らグループを作り、発言、発信を始め、政策にまで関与している。

認知症になった作家、アイリス・マードックの名を被せた認知症研究棟。スターリング大学内で

 その活動を支えるスコットランド・アルツハイマー協会や家族介護者団体の存在が大きい。大学も認知症研究に加わり、認知症の人の住まい環境や生活用品それに人材育成に力を入れている。

 スコットランドを9月に訪れ、現地を回った。前回に引き続き、認知症ケアについて考えていきたい。

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浅川澄一 [福祉ジャーナリスト(前・日本経済新聞社編集委員)]

あさかわ・すみかず/1948年2月東京都中野区生まれ。東京都立西高校から慶應義塾大学経済学部に。1971年日本経済新聞社に入社。小売り・流通業、ファッション、家電、サービス産業などを担当。87年に月刊誌『日経トレンディ』を創刊、初代編集長を5年間勤める。93年流通経済部長、95年マルチメディア局編成部長などを経て、98年から編集委員。高齢者ケア、少子化、NPO活度などを担当。2011年2月に定年退社。同年6月に公益社団法人長寿社会文化協会常務理事に就任。66歳。

 


医療・介護 大転換

2014年4月に診療報酬が改定され、ついで6月には「地域医療・介護総合確保推進法」が成立した。これによって、我が国の「医療」「介護」大転換に向けて、第一歩が踏み出された。少子高齢化が急速に進む中で、日本の社会保障はどう大きく変革するのか。なかなかその全貌が見えてこない、医療・介護大転換の内容を丁寧に解説していく。

「医療・介護 大転換」

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