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山崎元のマネー経済の歩き方

低金利時代の注意点

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第153回】 2010年11月15日
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 名目金利の低金利は、しばらく続きそうだ。日本銀行は1%以上の消費者物価上昇率を目指す一方、来年の消費者物価上昇率を0.1%と予想。政策金利のゼロ付近は長く続くことになる。したがって、預金・債券の金利もしばらくのあいだ、低くとどまるだろう。

 金利と経済をめぐる巷の議論では、高齢者の消費などに注目して、金利を上げて金利収入を増やすほうが景気は回復するだろうといった話もあるが、これはさすがに「逆噴射」に近い暴論だ。この不況下で実質金利を上げると、投資が減り、貯蓄が有利になるから消費も減り、円高にもなるから、経済は今以上に落ち込むはずだ。

 前回の日銀総裁を承認する国会審議では、不況下に金利を上げるべきだったとも取れる発言をした政治家がいた。現在与党の要職にあるが、彼の経済常識は修正されたのだろうか。今必要なのは、金利をなるべく上げずに、期待インフレ率を上げることだ。

 低金利はずいぶん長く続いているが、現在の高齢者は、数パーセント半ばの金利が預貯金に付いた時代のことが忘れられないようだ。あえて具体的な数字でいうと、運用には「4%」くらいの利回りが欲しいと思う方が多いようだ。

 リテール業務に携わる銀行支店向けの雑誌を見ると、銀行員の側から「昔と違って、今の金利は低い」と言って、その後に、見かけ上の利回りが大きいがリスクのある商品のセールスに持ち込む話法が紹介されているケースもある。

 かつてのような利回りを欲しいと思うのは、もちろん個人の勝手だが、長期金利が1%を切っている昨今に、4%以上の利回りを、しかも金融機関の手数料差し引き後に顧客が確保するためには、控えめにいっても、そうとうのリスクを覚悟する必要がある。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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