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【ソニー】
体質改善でキャッシュ創出力向上も
いまだ見えない次なる収益の柱

週刊ダイヤモンド編集部
【第8回】 2010年11月17日
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史上最高益をたたき出した陰でキャッシュ不足に苦しんでいたソニー。体質改善によりキャッシュを生み出す力はつき始めたが、次なる収益をどこで稼ぐのか、先行きはいまだ見えない。

 ここ数年、ソニーはキャッシュ不足に悩まされてきた。意外にも最も厳しかったのは、過去最高となる売上高8兆8714億円、最終利益3694億円をたたき出した2008年3月期だった。

 そもそもこの最高益は、「1ドル120円のドル高と1ユーロ160円のユーロ高という為替のプラス要因に加え、米国会計基準に基づきソニー生命保険の保有していた転換社債の含み益を計上していたためで(日本の会計基準にはない)、実態より上振れていた」(ソニー元幹部)というものだ。

 まさに「勘定合って銭足らず」である。この最高益の裏側でソニーは、06年3月期と07年3月期の2年連続でフリーキャッシュフローがマイナスだった。そのため、「3年連続でマイナスになれば、格付けを下げられてしまう」ことを恐れていた。そこでソニーは、ソニーフィナンシャルホールディングスの株式上場を急ぎ、ベルリンのソニーセンターや旧本社地区の一部など、なりふり構わぬ資産売却でキャッシュを手当てし、3年連続のマイナスを回避した。

 加えて、手をつけたのが、在庫の圧縮や売掛金の早期回収などだった。「在庫の持ち方などが少しルーズになっていた」と元幹部が振り返るとおり、売掛金日数と在庫日数の合計から仕入れ債務日数を差し引いた運転資本回転日数はじわじわと増え続け、一時期60日に迫る勢いだった(図1)。つまり、材料費を支払った後、売掛金が入金されるまで60日近く要すことになり、その間の資金繰りが必要になるということだ。

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