ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside
【第544回】 2010年11月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
週刊ダイヤモンド編集部

来年1月の風営法改正で半減?
全国のラブホテルが存続の危機

 2011年1月に施行される風俗営業法(風営法)の改正で、全国のラブホテルが存続の危機に晒されている。

 警察庁が把握している全国のラブホテル軒数は約7000軒。ところが実際には、その5倍の3万5000軒が存在するとも言われる。警察の監督下に入ることを嫌がるホテル経営者が、風営法ではなく旅館業法上の「旅館」として申請しているケースが多いのだ。

 ところが今回の風営法の改正によって、ラブホテルの定義範囲が拡大する。これまでなら、回転ベッドやアダルドグッズ自販機などがないうえで、食堂と床面積が一定基準を超えるロビーの2つを備えてさえいれば、事実上のラブホテルであっても旅館としての登録が可能だった。

 だが今後は、外から見える位置に休憩料金を表示していたり、宿泊客が従業員と顔を合わせずに部屋に入れるシステム(自動精算機やカギの自動交付機など)を導入していたりすれば、ラブホテルとしてみなされてしまうのだ。

 こうした条件に当てはまる“偽装ラブホテル”は、改めて風営法上のラブホテルとして届け出しなければならない。ところが、この「届出」をするにもいくつか問題がある。

 まず、結構なコストがかかる。というのも、届出には営業所の平面図などを提出する必要があり、1つ1つの部屋について図面を作成したり、面積を計算したりしなければならない。これがだいたい「数百万円はかかる」(都内の行政書士事務所)。

 さらに、都道府県条例により学校や児童福祉施設の周囲200メートル以内で営業してはならないとされるケースが大半。つまりこの範囲内で営業していれば、移動を余儀なくされるわけだ。ある大手ラブホテルチェーン経営者はこれを回避すべく、「すべて実質的な旅館に改装する」と明かす。

 それだけではない。これらのコストをクリアできたとしても、申請期間が来年1月1日から31日までのわずか1ヵ月間に限られている。「正月休みで警察署に担当者がいなければ、届出は受け付けない」(警察関係者)といい、要はこれ、警察が最初から偽装ラブホテルを排除する目的で改正しているといえるのだ。

 例えば東京都の渋谷警察署では、「管轄内の70件くらいが届け出してくる見込み。でも、実際には条件をクリアできないケースもあるだろうし、そもそも届け出せずとも逃れられると思っているところも結構ある。徹底して摘発するから、半数は廃業に追い込まれると思いますよ」(同)という。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池田光史)

週刊ダイヤモンド

Special topics
ダイヤモンド・オンライン 関連記事


DOLSpecial

今週の週刊ダイヤモンド

2014年8月2日号

週刊ダイヤモンド最新号

定価710円(税込)

週刊ダイヤモンドのサイトへ
特集

オジサン世代に増殖中!
職場の「お荷物」社員

      
  • Prologue 「お荷物」社員はなぜ生まれるのか
  • 働かないオジサン対策は日本企業の最重要課題だ!
  • 図解 どの世代も逃げられない働かないオジサンのリスク
  •     
  • Part 1 職場を萎えさせる「問題児」社員の実態
  • あなたの周囲にもいる!? 働かないオジサン7分類
  • あなたは大丈夫!? 働かないオジサン度チェックチャート
  • 「お荷物」社員の取扱説明書
  • 主要上場企業直撃アンケート シニア活用の実態
  •   
  • Part 2 働かない社員を量産 大企業人事部の"大罪"
  • 大量の採用と削減繰り返すだけ 年々巧妙化する企業のリストラ
  • Interview 秋山謙一郎●ジャーナリスト
  • 理想忘れた放漫経営が招いたソニー「追い出し部屋」の泥沼 清武英利●ジャーナリスト
  • Interview 野田 稔●社会人材学舎代表理事
  •   
  • Part 3 社員高齢化で待ったなし 「お荷物」を戦力化せよ
  • 50歳を過ぎても変われる! オジサン再生「六つの秘策」
  • Column 人材不足の中小企業で戦力化 ものづくり支えたシニアの技
  • Column 「お荷物」社員の目が輝く 人事担当者必見の研修
  • Column 顧問で派遣、クラウド活用 経験生かし定年後も活躍
  • Interview 三浦雄一郎●プロスキーヤー・冒険家
  
underline

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside

産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。

「inside」

⇒バックナンバー一覧