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山崎元のマネー経済の歩き方

大学生に投資の何を教えたいか

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第154回】 2010年11月25日
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 筆者は、今年の春から獨協大学で「金融資産運用論」という授業を担当している。半年単位(14回ワンセット)の授業なので、現在は2巡目に入っているが、試行錯誤をしながらやってみて、大学生に投資の何を伝えたいかという点がだんだんはっきりしてきた。

 学生たちにぜひ伝えたいと思うポイントは五つプラス1ある。

 1番目に、おカネの損得計算が正確にできるようになってもらうことだ。単利と複利の違いがわかり、割引現在価値の計算が自在にできるようにならないと、各種の金融取引で損をすることになりかねないし、損したことにすら気づかない状態になりかねない。

 特に、割引現在価値の概念を正しく知ることは、不動産を買うか・借りるか、さらには、プロジェクトに投資するか・しないかといった意思決定のベースにもなる。

 インカムゲインとキャピタルゲインを合わせて損得を考えることや、インフレ率、税金などの影響を考えることも必要だ。

 将来のキャッシュフローに関して割引現在価値と割引率を双方向で計算できるエクセル・ワークシートを用意して説明すると、「金利が上がると債券価格が下がる」という事実や、債券の価格の計算やデュレーションの概念まで、無理なく直観的に話すことができる。

 2番目のポイントは、リスクの扱い方だ。金融市場における将来の不確実性を完全かつ正確に扱うことは難しいが、確率的に数量化されたリスクの概念を使って、将来の損失可能額の見当をつける方法は重要だ。実生活でも、ビジネスでも、起こりうる「悪いこと」の規模を見積もり、その際の対処方法を用意しておくことが大切だ。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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