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アップルにも飛び火?サムスンのスマホ発火事故

週刊ダイヤモンド編集部
2016年9月20日
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「7ナンバー」を冠した新型スマホを投入した、韓国サムスン電子と米アップル。市場シェアが伸び悩む中、起死回生を狙っているが、その道程には濃い霧がかかり始めた。(「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

新型モデル投入によるシェア挽回の道のりは険しい(右がiPhone7 Plus、左がGalaxy Note 7)
Photo:REUTERS/アフロ

 「今すぐ端末の電源を切って、以前の携帯電話を使用してください」

 9月10日、韓国サムスン電子は、新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」について、即座に利用を中止するよう、米国、中国など10カ国・地域に一斉に勧告した。

 8月19日に発売してから2週間余りで、韓国や英国をはじめ世界各地でスマホの電池部分から発火、爆発という深刻な事故の報告が相次いだためだ。

 当初、今回の事故でサムスン自身が負う“やけど”は、すぐに回復するかと思われたが、足元ではさらに悪化しているように見える。なぜか。要因は大きく二つある。

 一つは、初動対応のミスだ。サムスンは9月初旬、充電中にノート7が発火したことを、利用者がツイッターなどに画像付きで投稿し始めたことを受け、一時的に出荷を止めた。

 しかし、その時点で各国・地域の関係当局に、正式なリコール(製品の不具合に伴う回収・無償修理)の手続きを取らず、単なる「自主回収」という対応にとどめてしまったのだ。

 すでに出荷した250万台に対して、発火などの報告事例が「計35件と全体の割合でいえば小さかった」(サムスン関係者)との判断があったようだ。

 そのため、各国の航空当局が機内での使用・充電を禁止する勧告を出し、米消費者製品安全委員会がしびれを切らしたように、サムスンに先んじて、使用中止を求めるといった事態を招いた。

 サムスンは、250万台の返品・交換などに伴う費用について「莫大」(高東真(コ・ドンジン)・無線事業部長)と述べるにとどめているが、販売の機会損失を含めた影響額は、1000億円前後に上るという試算もある。

 やけどが悪化しているもう一つの要因は、ここにきてサムスン製品の信頼性が揺らぎ始めたことだ。

 サムスンは今回の発火事故などの原因は、スマホの電池部分(セル)にあるとしている。

 電池を供給しているのは、グループ会社のサムスンSDIと、TDKグループのアンプレックステクノロジー(ATL)の2社とされ、供給量の約7割を占めるSDI製の電池に問題があったというのが、これまでの見方だった。

 ところが今、業界関係者の間ではノート7本体側にも問題があったのではないかという話題で、持ち切りになっている。

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