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ベテラン葬儀屋は見た!親族トラブルの実態と回避法

大野益通
2016年9月22日
著者・コラム紹介バックナンバー
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「終活」を疎かにすると、親族トラブルを招く原因になりかねません(写真はイメージです)

ここ5年ほどで「終活」という言葉をよく耳にするようになった。終活に関する講演会やセミナーなども全国各地で開催され、高齢化の進む中で関心が高まっているが、「終活」が十分にできていないケースでは親族間のトラブルが多発している。

親や夫など家族の臨終に際して親族間の争いを避けるために、どう「家族の終活」と向き合えばいいのか。また、これから老後を迎える世代が不安なく自分らしく生きるためにはどう「終活」すればいいのか。これまで葬儀社を運営するなかで1万人以上を見送り、数々の出来事にも遭遇してきた大野益通氏に、プロの視点から見た「後悔しない終活」について話を聞いた。

「将来への不安」を整理すれば
トラブルは回避できる!

おおの・ますみち
1952年栃木県生まれ。1978年大野造花生花葬儀店(現「株式会社おおの」)設立。代表取締役として現在に至る。2006年NPO法人「市民後見人センターとちぎ」設立。高齢者や障がい者など社会的弱者の生活サポート、死後事務処理受託、葬儀生前予約や墓地管理・供養等の支援など、地域福祉向上に取り組む。2016年ひとり暮らしの高齢者をあらゆる面から支える任意後見人センターとして「えくぼ法人後見人事務所」を設立。著書に『1万人を見送ったおくりびとの覚書 安らかなそのその日の迎え方』(弓立社)。

 これまでに1万人以上の葬儀を取り仕切ってきた中で、私は、親族間のあらゆるトラブルや、ひとりで亡くなった方の問題に直面してきました。

 例えば、お金の話で親族がもめるケース。霊安室や葬儀の場にもかかわらず、故人の預金通帳や印鑑のありかがわからない、不動産の名義がどうなっているのかわからないなどで親族同士が言い争う場面を見てきました。

 親族のおひとりが、勝手に遺品を持ち出したケースもあります。また、両親がともに亡くなってしまい、残された子どもを誰が引き取るかで身内がもめたケース。こうしたことは、誰にでも起こりうることです。

 近年は、終活関連のセミナー講師も務めるようになり、70代、80代、90代の方々のお悩みの相談にも乗っています。

 これからの時代、どんな人にでも「終活」と向き合うことが必要になります。人生の最期まで自分らしく生きるため、自分の老後や、その先の死と向き合うことは決してネガティブなことではないのです。

 誰にでも、年を取ってからの生活に不安があると思います。認知症になったらどこで暮らすのか、最期のときは誰が看取ってくれるのか、財産はどうなってしまうのか…そういった不安を一つひとつ整理し、自分の考えを明確に示すことが終活なのです。

 近年、「終活」が話題になっている背景には、核家族化による独居老人の増加、家族間のコミュニケーション不足などの家族のあり方の社会的変化があります。宗教や地域の慣習への理解も低下しているため、葬儀を行うときに、慌ててしまう家庭もたくさん見てきました。

 特に、いわゆる「おひとりさま」の方にとっては、体を壊して入院するなど、もしものときに頼りにできる人がいなかったり、亡くなった後の葬儀や供養をどうするのかということが問題になります。おひとりさまの高齢者の場合は、あらかじめ近くでサポートをしてくれる後見人を立て、財産管理の委任をするなど、早めの終活が必要になります。

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