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金融市場異論百出

散髪代「700円vs21ドル」
意外な日米インフレ差の象徴

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2016年9月28日
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 大阪の通天閣周辺にある商店街は、串カツ人気やアジアからの観光客増加もあって活況を呈している。しかし、有名串カツ店を除けば、この辺りの物価水準は異様に低い。梅田駅周辺と比較すると別世界に来たような感覚にとらわれる(商店街の名前は「新世界」だが)。

大阪の通天閣周辺にある商店街では、理髪店での散髪代が700円、立ち食いそば店での「かけうどん」が160円などと、物価水準は異様に低い Photo by Izuru Kato

 例えば、立ち食いそば店では「かけうどん」が160円、ゲームセンターをのぞくと「テレビゲーム50円」、居酒屋の看板には「生マグロ300円、八宝菜200円」と書かれている。人の流れからやや外れた場所の串カツ店は「1本30円から」だ(どんな肉、野菜なのかは不明)。

 そう、ここは「デフレゾーン」なのだ。見上げると「日本一の安値に挑戦」との看板が見える。

 理髪店もすごい。われわれがよく知る全国チェーン店の1080円という価格も安いが、通天閣周辺には通常カット700円という店がある。

 「高い塔」というつながりで無茶な日米比較をすると、数カ月前に見掛けた米ニューヨークのエンパイアステートビル近くの理髪店は21ドルだった。あの辺りでは安い方なのだが。トライベッカに行けば6.99ドルの理髪店があり、通天閣周辺と同レベルだが、理容師学校生徒の教習故の例外的価格だ。

 なお、国際通貨基金(IMF)が試算する今年のドル円の購買力平価レートは約103円なので、最近のドル円為替レートはおおよそフェアバリュー(適正価格)といえる。

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