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人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成
【第8回】 2016年9月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
中原淳 [東京大学 大学総合教育研究センター 准教授]

なぜマクドナルドは「時給で負けても」人が採れるのか?
【潜入!! ハンバーガー大学】若手エース店長に聞いてみた(第1/3回)

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いま、アルバイトの人手不足が深刻化している。そんななか、人材開発理論の専門家である中原淳氏(東京大学 准教授)と、インテリジェンスHITO総合研究所(テンプグループ)代表の渋谷和久氏が、アルバイト雇用に関する大規模な調査プロジェクトを立ち上げた。その成果をベースにした書籍『アルバイト・パート[採用・育成]入門』(ダイヤモンド社)も11月に刊行予定だという。

今回の座談会をお願いしたのは、「ハンバーガー大学」など独自の社内制度を早くから立ち上げ、店長やアルバイトの育成に力を入れてきた日本マクドナルドのみなさん。売上上位店である立川伊勢丹前店の齋藤周平店長と六本木ヒルズ店の西村裕美店長、そして同人事本部の日比谷勉氏にお集まりいただき、同社の驚くべき「人手不足対策」についてお話を伺った(撮影/宇佐見利明 構成/前田浩弥)。

[左]西村裕美店長(マクドナルド六本木ヒルズ店)・[右]齋藤周平店長(マクドナルド立川伊勢丹前店)
日本マクドナルド本社内「ハンバーガー大学」入り口にて

このままでは「OMOTENASHI」
どころではない!

【中原淳(以下、中原)】今、業界を問わず「アルバイトの人手不足」が大きな問題となっています。本当に人が採れないし、採れてもすぐに辞めてしまって、足りない。この状況をどのように打開したらいいかを店長さん向けにまとめた『アルバイト・パート[採用・育成]入門』という書籍を現在、執筆しています。

中原淳(なかはら・じゅん)
東京大学 大学総合教育研究センター 准教授。東京大学大学院 学際情報学府(兼任)。東京大学教養学部 学際情報科学科(兼任)。大阪大学博士(人間科学)。
1975年北海道旭川生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。専門は経営学習論。著書に、『会社の中はジレンマだらけ』(光文社新書)、『企業内人材育成入門』(ダイヤモンド社)など多数。

どのようにして人を採用し、育成するかというのは、店長さんがいろんな経験やノウハウをお持ちになっていますし、「スーパー店長語る」みたいな本はすでにたくさんありますが、大規模な調査をもとに「科学的な考察」をまとめた本はこれまでありませんでした。

実際、データからいろいろなことがわかってきたのですが、「現場でどんなことが起こっているのか」とか「どういうノウハウがあるのか」といった生々しい話は、数字だけではなかなか見えてこない。今日はそういう部分を、マクドナルドのお2人の店長に聞かせていただきたいと考えています。よろしくお願いします。

【齋藤周平(以下、齋藤)】よろしくお願いします。私は大学卒業後、2011年に入社しました。初めは町田中町店というドライブスルーのあるお店に配属され、以後2つの店舗で経験を積み重ねて、2015年5月に立川伊勢丹前店の店長になりました。就職前の大学時代からマクドナルドでアルバイトをしていますので、「マクドナルド歴」は9年半ですね。

【西村裕美(以下、西村)】よろしくお願いします。私も2011年に新卒で入社しました。渋谷東映プラザ店が最初の店舗です。2012年2月に、今は閉店している築地の聖路加タワー店で店長になりました。その後異動し、六本木ヒルズ店で店長を務めています。

【中原】本社の方から見て、それぞれのお店の特徴はいかがですか?

【日比谷勉(以下、日比谷)】齋藤店長の立川伊勢丹前店も、西村店長の六本木ヒルズ店も、セールスのポテンシャルが非常に高いお店ですね。裏を返せば、難度が高いお店ということでもあります。ほかの店に比べると、短時間でいろいろな経験をしなければいけないという点で、2つの店舗は共通していますね。

渋谷和久(しぶや・かずひさ)
テンプホールディングス株式会社 グループ営業本部 本部長 兼 株式会社インテリジェンスHITO総合研究所 代表取締役社長
1999年新卒にてアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)に入社。2004年インテリジェンスに中途入社。アルバイト求人広告事業(an)にて営業企画部門、大企業向け営業部門、代理店統括部門の各責任者を経て、2011年よりインテリジェンスのグループ営業本部長。インテリジェンスとテンプグループの経営統合による組織再編により、2014年4月より現職。人事・組織コンサルティングサービスと「HITO(ヒト)」をテーマにした調査・研究活動を牽引している。

【渋谷和久(以下、渋谷)】いま、とくに東京都内では4年後のオリンピックへの期待が高まっていますよね。でもクライアントのみなさんからは「人手不足で『OMOTENASHI』どころではない!」という声が聞こえてきます。
「人手不足」を具体的に表すと、企業が募集している数に対して、今は250万人くらい人が足りていない状況です。このままいくと、2025年にはどれくらい足りなくなると思いますか?

【齋藤】今の10倍くらいでしょうか……?

【渋谷】2500万人も足りなくなる!?そこまでではありませんが(笑)、推計によると「583万人足りなくなる」と言われています。今の2倍くらい、さらに人が採りづらくなるんですね。

経済が成長していたり、人口が増えたりしていた時代であれば、「人が足りないなら新しく採ればいい」という発想がまかり通っていました。ただ、もう現実に人口が減り始めているので、人を採ろうとしてもなかなか採れない。だから、「いかに人を大事にするか」というふうに、発想を変えなければいけなくなってきました。そこで今日は、中原さんとともに、店長の仕事は具体的にどう変わっていかなければいけないかを探りに来たんです。

【中原】人が足りないときにとらなければいけない方策は、大きく3つあると思うんです。1.採用数を増やすか、2.離職を減らすか、3.生産性を上げるか。このうち、3.生産性を上げるという部分については、マクドナルドさんはすでに厳しく取り組んできている。そこで、1.採用数を増やす、2.離職を減らすという点に絞って、現場のお話を聞かせてください。

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中原淳(なかはら・じゅん) [東京大学 大学総合教育研究センター 准教授]

東京大学大学院 学際情報学府(兼任)。東京大学教養学部 学際情報科学科(兼任)。大阪大学博士(人間科学)。
1975年北海道旭川生まれ。東京大学教育学部卒業、大阪大学大学院 人間科学研究科、メディア教育開発センター(現・放送大学)、米国・マサチューセッツ工科大学客員研究員等を経て、2006年より現職。
「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発、リーダーシップ開発について研究している。専門は経営学習論(Management Learning)。
著書に、『会社の中はジレンマだらけ』(光文社新書)、『アクティブトランジション』(三省堂)、『職場学習論』『経営学習論』(以上、東京大学出版会)、『企業内人材育成入門』『研修開発入門』『ダイアローグ 対話する組織』(以上、ダイヤモンド社)など多数。


人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成

各業界で「アルバイト・パートの人手不足」が深刻化している。いまこそ企業は「使い捨て人材」としてのイメージを捨て、真剣に「バイトの主力化」に取り組まなければならない――。こうした問題意識の下、東京大学・中原淳准教授とテンプグループは、小売・飲食・運輸業界大手7社8ブランドの2.5万人を対象に、国内初の「アルバイト・パート雇用」に関わる大規模調査を実施。これからの「バイト人材育成」に欠かせないポイントはどこにあるのか?

「人手不足の時代に本気で考える アルバイト人材育成」

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