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中国メーカーが日本に投入する
“メード・イン・チャパン”洗濯機

週刊ダイヤモンド編集部
2010年12月7日
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来春にも大手家電量販店などで売り出し、コスト意識の高いファミリー層をターゲットに、シェア拡大を狙う

 中国家電最大手のハイアールが、日本人の技術者やデザイナーの手で作られたことをセールスポイントにしたハイエンドの洗濯機を来春にも日本市場攻略の「秘密兵器」として売り出す。商品の生い立ちから「メード・イン・チャパン(チャイナ+ジャパン)」と呼ばれ注目を集めている。

 日本の洗濯機市場は世界最難関といわれる。ナショナルブランドの5社(東芝、日立製作所、パナソニック、三洋電機、シャープ)がひしめき、国内販売数約450万台のうち約95%のシェアを占めている(2009年、GfKジャパン調べ)。日本の住宅事情に合わせた省スペース化や静音性が求められ、匂いや洗浄力に敏感な国民性のためか、海外メーカーがそのまま自社商品を持ち込んでも勝算はないというのが定説だった。

 世界の洗濯機シェアでトップクラスのハイアールも例外ではない。02年に三洋電機と提携して参入したが、シェアは大きく伸びず、07年に合弁会社を解散。引き続きハイアールの日本法人が、単身者向け小型洗濯機や、地方のファミリー向け2層式洗濯機など、主戦場を避けて「すき間」を埋める商売に徹してきた。09年のシェアは3%ほどにとどまる。

 しかしハイアールは07年、山東省青島の本社に「日本人による、日本人のための、日本人向けモデル」の開発チームを立ち上げていた。日本の電機メーカーから中途採用した技術者とデザイナーを「頭脳」に、基本設計からプログラミング、デザインまで研究し、数十人の中国人スタッフを束ねているという。

 ドラムの振動を抑えるために搭載した世界初の「ハイブリッドバランサー」も、この技術陣が生み出した。洗濯時の騒音レベルは30デシベル(ささやき声ほどの大きさ)をうたい、数値的には、日本メーカーの同等機種とほぼ変わらないレベルに達しているという。

 ハイアールで働く日本人技術者とは、どのような人たちなのか。「TOTOで長年、(洗濯機に技術転用できる)食器洗い機の開発に携わっていたエンジニアがキーマンの1人」(業界関係者)。TOTOは1996年に食器洗い機の事業に参入したが、赤字が続き09年に撤退しており、「自分の技術を生かせる場として、新たに中国メーカーを選んでも不思議ではない」(同関係者)。

 満を持して投入される新型洗濯機の商品名は「ふとんラクラクドラム」(容量10キログラム)。想定価格は12万円前後と国産機種より20%ほど安く、発売1年間で1万5000台、15年には他のラインナップと合わせシェア10%を目指す。

 ハイアールは11月、別の洗濯機で過去6件の発煙トラブルの発生を受けリコール(約32万台、02年4月~08年8月)に直面している。逆風を押し返して、日本市場に食い込めるか。「メード・イン・チャパン」の商品力にかかっている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)

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