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みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

明暗を分けたのは“経歴”ではなかった!
内定取れない「すごい学生」、取れる「普通の学生」
――元サイバーエージェント・木暮太一スペシャル講義

石渡嶺司 [大学ジャーナリスト]
【第4回】 2010年12月7日
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よくある光景~新聞をとり始めた就活生

 「新聞を読むと就活に有利」

 同じことをゼミの先輩の言葉や就職ガイダンスでよく聞くようになった。

 そこで3年生の天幕次郎は新聞を取ることにした。今まで新聞はほとんど読んでいない。たまにスポーツ新聞を読む程度だった。

 「どうせ読むなら日本経済新聞がいいぞ」

 とゼミの教授が勧めてくれたので日本経済新聞を取ることに。

 「気になった記事はスクラップにしておくといいよ」

 と勧めてくれたのはゼミの先輩。

 なるほど、それはいいことを聞いた。そのためにはきちんと全部読む必要があるだろう。

1日目:「金融緩和」「内閣改造」「財政出動」…。見慣れないキーワードが次々と飛び込んでくる。意味が分からないまま、とりあえず読んでいくと2時間もかかった。気になる記事も多く、スクラップするのにも時間がかかってしまう。

2日目:今日はバイトにサークル活動があって忙しい。30分だけ読んだ。それでも後半は全然読めていない。まあ、時間のあるときにでも読めばいいだろう。

10日目:3日目以降、ほとんど読まず部屋の片隅に積んだままだ。全部読もうとするとどれだけ時間がかかるか。時間をかけて面白いならまだ許せる。しかし、これが読みづらいし、面白くも何ともない。考えてみれば、いまどき、ネットや携帯がある。ニュースはそっちでチェックすればいいじゃないか。

1ヵ月後:「あ、もしもし?販売所さん?×町の天幕ですけど、講読契約を解約します。はい」

4ヵ月後:某IT企業の面接会場。面接担当者に

 「最近、気になったニュースは?」

 と聞かれる。自分の中では、ジャスミン茶がマイブームなのでその話をすると、面接官が大笑い。盛り上がる。受けが取れたと思った。

 「キミの中では、のニュースだね。社会全般ではどうかな?」

 と聞かれたので、

 「社会より自分が大事です」

 と思ったままのことを答える。正直言って、新聞はろくに読んでいない。ネットニュースもあまりチェックしておらず、ごまかしただけだ。でも、どうにかなるだろう。

5ヵ月後:IT企業採用担当、当間愛の証言。

 「あの天幕君の面接で大笑いしたのは、まさか自分の話が出るとは思わなかったからです。いや、社会の動きと自分を結び付けるならまだしも、マイブームって合コンじゃないんだし。本人は受けが取れたと思っていた?いや、途中でこいつは、ないなあ、と思っていました。ただ、それ顔に出しちゃうと、企業としてマイナスイメージですよね?だから、話を合わせる感じに。一応、フォローで社会全般のことを聞くと『社会より自分が大事』。これ、もう新聞を読まず、社会全般を知らない学生の決り文句ですよ。これが決定打で落としました」

6ヵ月後:ジャスミン茶で受けが取れたはずのIT企業、落ちる。他の企業も連戦連敗。何がまずいのだろう…。

※ここまでの部分はフィクションです

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石渡 嶺司 [大学ジャーナリスト]

1975年生まれ。東洋大学社会学部卒業。日用雑貨の営業の派遣社員、編集プロダクションなどを経て2003年に独立。日本全国350校を超える大学を調査、とくに就職活動をめぐって、学生や大学就職課、教職員団体、あるいは高校生向けに積極的な執筆や講演活動を行う。主な著書に『就活のバカヤロー』『最高学府はバカだらけ』(以上、光文社新書)、『ヤバイ就活!』『就活のバカタレ!』(以上、PHP研究所)などがある。


みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司

「第二次就職氷河期」といわれる現在。学生、企業、大学、親など、取り巻く関係者すべてに悲壮感が漂っている。こうした悲壮感が漂うなか、彼らの実態とはどのようなものなのか。その様子を時系列で追いながら、誰が就活を悲惨にしているのか、“犯人”を探る。

「みんなの就活悲惨日記 石渡嶺司」

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