社会的な「成功レール」の崩壊、どんどん不確実になる未来、SNSにあふれる他人の「キラキラ」…。そんな中で、自分の「やりたいこと」がわからず戸惑う人が、世代を問わず増えています。本連載は、『「やりたいこと」はなくてもいい。』(ダイヤモンド社刊)の著者・しずかみちこさんが、やりたいことを無理に探さなくても、日々が充実し、迷いがなくなり、自分らしい「道」が自然に見えてくる方法を、本書から編集・抜粋して紹介します。

【チャートでチェック!】あなたはどっち?「目標」が必要な「逆算型」、ないほうが人生が充実する「積上型」『「やりたいこと」はなくてもいい。』しずかみちこ著(ダイヤモンド社刊)より
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あなたはどっち「逆算型」VS「積上型」

自分らしく生きていくための人生の歩み方は、100人いれば100通りありますが、その多様な人生の歩み方を、「やりたいことが必要か否か」という視点で大きく分類すると、私の経験上、2つのタイプに分けられると感じています。

それを「逆算型」(ぎゃくさんがた)と「積上型」(つみあげがた)と呼ぶことにします。

逆算型」は、夢や目標、やりたいことを持つことで充実した人生を送れる(「目標を持つことのメリット」のほうが大きく出る)タイプです。

積上型」は、夢や目標がないほうが充実した人生を送れる(「目標を持つことのデメリット」(本書p48~参照)のほうが大きく出る)タイプです。

逆算型と積上型は、どちらが優れているということはありません。それぞれに長所と短所があり、どちらのタイプも社会にとって必要な存在です。
ただし、今の学校や社会では、「目標」や「夢」をもってそれに向かって頑張る人(「逆算型」)が評価されることが多いので、「積上型」の人はなんとなく生きづらい思いを抱えています。そして無理に目標ややりたいことを見つけようとしてて、それでも見つからなくて悩んでいる方が多いのです。

しかし、大切なのは、自分がどちらのタイプに近いかを理解し、その強みを活かしながら人生を歩んでいくことです。

違うタイプの人をうらやましく思っても、自分がそのタイプでなければ、同じやり方を真似しても苦しくなってしまいます。

自分は「逆算型」か「積上型」か

次の項から逆算型と積上型のそれぞれの特徴や、気を付けたほうがいい点などを詳しく見ていきますが、まずは、自分がどちらの傾向が強いのか知るために、簡易的なチャートを冒頭に載せました。

「逆算型」「積上型」以外に「修行中の逆算型」とあるのは、「本来は逆算型タイプだけれども世界を広げている修行の最中で、まだやりたいことに出会っていない」という状況を指します。

逆算型と積上型の区別は、グラデーションなので、どちらにも当てはまると感じる人もいるかもしれません。

もしくは、仕事のときは逆算型で、プライベートでは積上型という人もいるでしょう。

いずれにしても、自分はどんなタイプなのだろうと考えながら読むための入り口として、チャートを参考にしてください。

自分のタイプを知るときの注意点

注意点が1つあります。

これは「自分はこういう人間だ」と枠にはめるためのものではありません。

自分の強みを最大限に活かし、弱みを補完する方法を見つけるためのものです。

また、自分とは異なるタイプの人がいることを念頭に置いてコミュニケーションをとることで、これまで理解できなかった他の人の言動がわかるようになり、逆算型の人と積上型の人がお互いを補完する形で自分の強みを発揮できるようになるはずです。

本書では、「積上型」や「修行中の逆算型」の方が、「やりたいこと」や「目標」を無理に見つけなくても人生を充実させるための方法を書いています。

*本記事は、しずかみちこ著『「やりたいこと」はなくてもいい。 目標がなくても人生に迷わなくなる4つのステップ』(ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。