提示価格に含まれる見えないコストとは!?
南アランド、ブラジルレアル、メキシコペソ、トルコリラなど新興国の債券には7%以上の利率が付いているものがある。しかし、FPの深野康彦さんは「マイナーな通貨建て債券には手出し無用」とアドバイスしている。
「理由は為替手数料の高さ。たとえ金利10%でも、為替手数料で5%も取られたら、利回りは半分。とてもウマ味のある投資とは言えません」(深野さん)
さらに、償還前に換金する際は証券会社が買い取るが、買取提示価格には「取次手数料」が上乗せされている。
マイナー通貨建て債券は流動性が低く、債券市場での実勢価格より安値で売らざるを得ないのだ。
見た目の高金利よりも、トータルでの利益を追求しよう!
(文/渡辺一朗) ※ダイヤモンド・ザイ2010年12月号に掲載