あの「踊る大捜査線」シリーズが帰ってきた! 「室井慎次 敗れざる者」のタイトルからも分かるよう、主役が室井慎次(柳葉敏郎)だというからさらに胸アツだ! なぜなら、室井は40代、50代のビジネスパーソンの心をつかんで離さなかったからだ。なぜわれわれは室井に心を奪われるか、名言と共に考えてみた。
「レインボーブリッジ、封鎖できません!」
そんな青島俊作(織田裕二)の名セリフが生まれた「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」が公開されたのが2003年。実に20年以上も前だ。
実は同作が打ち立てた記録(観客動員数1260万人、興行収入173.5億円)は、24年現在でも破られておらず、今なお邦画実写の圧倒的頂点に君臨している。
2003年といえばイラク戦争が開戦、流行語にはテツandトモの「なんでだろう〜」が選ばれ、今は解散してしまったSMAPの「世界に一つだけの花」が大ヒットした。当時、20代、30代だったわれわれも、会社では責任世代になり、健康診断の数値も気になるようになってきた⋯⋯。
そんな中、24年3月に突然、“踊るプロジェクト”の再始動が宣言され、先日公開された「室井慎次 敗れざる者」[全国東宝系にて公開中]は瞬く間に話題となり、映画動員ランキングで見事1位に輝いた。
(10月11日~13日の3日間集計、興行通信社調べ)
スクリーンの中の室井は、あの頃と同じ。不器用で真っすぐで、胸の中に志を秘めている。ただ、うれしいことに、われわれと同じように年を重ね、眉間のシワはさらに深くなった印象だ。そう、「踊る大捜査線」シリーズの時の流れも止まっていなかった。
だからこそ、27年前のドラマ最終回「青島刑事よ永遠に」のラストシーンでの「警察の組織改革」という青島との約束を守るため、警察キャリアの道を突き進んでいるそんな姿を想像していた。しかし、彼は意外な選択をしていた⋯⋯。
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