慢性的な頭痛に悩まされている日本人は約4000万人。そのうち、約2000万人以上が緊張型頭痛に、約840万人が片頭痛に悩まされている。
ところが、「多忙のために、医療機関を受診する時間もなく、日々、頭痛と闘いながら仕事をこなしている頭痛持ちの人たちに、『生活上のちょっとしたコツで、頭痛は消える、防げる』と言っても、すぐには信じてもらえません。しかし、専門家の目でみなさんの日常を見てみると、これでは、頭痛が起きても仕方がないとため息をつきたくなるような生活をしている人が、ほとんどなのです」と語るのは、9月30日発売『頭痛は消える。』の著者であり、頭痛治療のエキスパート・清水俊彦氏(東京女子医科大学 頭痛外来)。
科学的なデータとこれまでに治療してきた約200万人の体験談から抽出した選りすぐりの「頭痛を起こさない58の生活習慣」を、7つの生活シーンに分けてご紹介。その中から各2項目を7回にわたって連載。
緊張型頭痛の人は、
痛み始めたらすぐ飲む
つらい頭痛からは一刻も早く逃れたいものですが、頭痛が起こってもすぐに医療機関を受診できるものでもありませんから、手近にある市販の頭痛薬を効率よく活用したいものです。
ただし、そのためには、頭痛のタイプによって頭痛薬の服用タイミングが異なることを知っておいてください。
緊張型頭痛には、片頭痛のような吐き気や光、音過敏、日常の動作での頭痛の増強などといった症状はありませんから、痛み始めたらなるべく早期に頭痛薬を服用することで治まります。
ところが、片頭痛の場合は、飲むタイミングを逃すと、せっかく服用しても嘔吐してしまい、2~3日寝込んでしまうことにもなりかねません。
したがって、頭痛が起こる予兆を察知して、そのタイミングで服用するよう心がけなければならないのです。
片頭痛の起こる予兆症状としては、異常な空腹感や肩こり、生あくび、トイレに行く回数が減って何となく体がむくんだような感じ、などがあります。
異常な空腹感は、血糖値が低下し脳血管が広がりかけることから起こります。
この広がりが全身の血管にも及び、血管外に水分が漏れ出すことで体のむくみが生じ、トイレに行く回数が減るのです。
また、片頭痛の三叉神経のサテライから発せられた頭痛信号が、脳幹部の下方にある横隔膜を支配する脳神経を刺激することで、生あくびが止まらなくなるのです。
●ポイント:予兆が出始めたら、すぐに頭痛薬を飲む