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追い詰められた「光の道」構想
ソフトバンクの新メディア対策

週刊ダイヤモンド編集部
【第73回】 2010年12月10日
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 劣勢を挽回できるか――。

 再び、ソフトバンクの孫正義社長が動き出した。12月9日の午前9時から、孫社長は、参議院議員会館地下1階の会議室で、民主党の若手議員たちを前に、「IT立国による日本の新たな成長」と題する講演を行った。その内容はこれまでと同様、「光の道」構想の必然性を説くものだったという。

 その夜には、19時直前の60秒間と21時直前の60秒間に、これまでのCMの総集編と称して、在京キー局すべての広告枠を横並びで買い取り、視聴者をインターネットのサイトに誘導するという仕掛けCMを行った。お茶の間の好感度ナンバーワンのCM「白戸家」を使って、イメージアップを狙うという作戦に出たのである。

 直接、お茶の間の視聴者に訴求する――。そこまでソフトバンクが追い詰められているのは、先の11月30日に出された「光の道」構想に関する「取りまとめ案」に起因する。監督官庁である総務省や通信業界関係者からの支持を得られなかったことから、ソフトバンクが主張してきた改革案はほとんど反映されていなかったのだ。

 要するに、過去1年間の有識者会議(タスクフォース)における議論を通じて、公式の場所では孫社長も構成員として加わっていた有識者会議の場で、非公式の場では孫社長の意を受けたソフトバンクの社長室が中心となって構成員に個別のアプローチをかけて説得してきた苦労が、まるで報われなかったというわけだ。「とりまとめ案」の結論は、端的に言えば、官民から「ソフトバンクの提案(仮説)は“実現性に乏しい”」と評価されたのである。

 ところが、この結論に納得できなかった孫社長は、「リスクを取って事業をやった経験がない有識者に何がわかるのか」と不満をブチまけた。確かに、それだけを聞けば、「なるほど」と思えるだろう。

 だが、そもそも政治主導の暴走を食い止めるために有識者会議で議論を重ねてきたのであり、4つの領域に分かれて議論が進められてきた有識者会議には、NTTの三浦惺社長やKDDIの小野寺正会長などと同じく、孫社長も1つの有識者会議に参加していたのである。なのに、「たった数人で日本の将来を決めるのはおかしい」と主張するのは少々無理がある。

 じつは、総務省の官僚は、「とりまとめ案」の作成にあたり、業界関係者も見落としてしまいそうな重要な“布石”を打っておいた。

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