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世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン

チャイナプラスワンを超えて
――CLMVT時代のサプライチェーンとは

PwCコンサルティング
【第2回】 2016年10月27日
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アジア地域におけるオペレーション改革の
キーワードとして浮上する「CLMVT」

 PwCでは、成長著しい国々におけるクライアントのオペレーションの改革・顧客価値の創出を支援するために「グロースマーケットセンター(GMC)」という機能を持っており、サプライチェーン構築に関するさまざまな支援を行っている。本稿では、近年アジア地域のサプライチェーン改革のトピックとして注目を浴びている「CLMVT」における日本企業のサプライチェーン改革の在り方を考察したい。

CLMVTはASEANの中の
もう1つの経済圏

三山功(みやま いさお)
PwCコンサルティング合同会社、マネージャー
製造業を中心とした幅広い業種に対し、サプライチェーンマネジメント関連のサービスを提供。特にアセアン地域における自動車関連業界に対するプロジェクト経験が豊富。近年はデジタル技術(3Dプリンター、ドローン、AI等)を応用したサプライチェーン変革手法の開発にも注力

 記事をご覧の皆様は「CLMVT」という言葉をご存じだろうか?これはカンボジア・ラオス・ミャンマー・ベトナム・タイの5ヵ国、つまりASEAN諸国の中でも特にタイを中心に地続きになっている地域を指す言葉だ。場合によっては「メコン地域」とも呼ばれている(下の図表1を参照)。

 近年はAEC(ASEAN経済共同体)によるASEAN域内におけるヒト・モノ・カネの動きの加速に世間の耳目が集まっているが、中でも特にタイを中心としたCLMVT諸国においてより顕著にその動きが加速する、と筆者は考えている。

 その流れを象徴するイベントとして、さる2016年6月にバンコクにおいて初のCLMVT フォーラム が開催された。このフォーラムにはASEAN各国より閣僚級が集まり、CLMVT域内における経済的統合、基準及び手続きの調整など、幅広い問題について検討が行われた。

 日本からも駐タイ大使が参加しており、2015年に日本・CLMVT各国の経済大臣会合において採択された「メコン産業開発ビジョン」を中心とした産業支援について講演している。この中では「アジア、さらには世界のバリューチェーンの中核地域」としての発展を目指すこと、そしてこの取り組みによって「2020年までに約200億ドルに相当するGDPの増加を目指すこと」が明記されていた 。

 本稿ではこのようにCLMVT圏が急速に結びつきを強め1つの経済圏として立ち上がってくる“CLMVT時代”において、日本企業がどのような視点でサプライチェーンを再考していくべきかを考察してみたい。

出所:PwC
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どのような業界にいようとも、戦略を遂行することは難しくなっている。IoT、AI等技術の進歩は私 たちの価値観を変え、顧客の価値観もまた著しく進化している。競争相手は全く新しい事業モデルを構築し、挑戦してくる。これまでの常識が変わっているのだ。これはリーダーシップを担うすべての人に共通する課題ではなかろうか。 本連載では企業が戦略を実行するために必要なオペレーションの最新モデルを取り上げ、グローバル市場で生き残る企業の条件を探る。

「世界トップ企業の大胆不敵なサプライチェーン」

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