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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

日米の学生の就職希望先から見える「未来を創る企業」

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第6回】 2016年10月20日
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 新しい技術は、どのような方向に進み、どのような主体が開発をリードするのだろうか?企業動向の観点から見ると、ユニコーン企業が情報分野で技術開発を進めるだろう。アメリカの学生の就職希望先も、ここだ。なお、DAOという新しい企業群が地平線上に姿を現している。

世界をリードする企業を3グループに分類
巨大成熟企業、GAFA、ユニコーン

将来の動向を見るための先行指標として、優秀な学生の希望就職先は重要な要素となる

 問題を考えるためのフレームワークとして、まず、世界をリードする企業を次の3つのグループに分類しておこう。

(第1グループ)巨大成熟企業

 「フォーチュン500」の上位10社を図表1に示す。この上位にいる巨大企業が第1グループだ。

 売上高は大きいが、成熟企業であるため、成長率は低い。

 中国の国有企業もこの中に入る(State Grid、China National Petroleum、Sinopec Group)。

 日本の大企業もそうだ。日本の場合、経済全体の成長率は、こうした企業の売上高成長率に規定されている。

◆図表1:フォーチュン500の上位10社

(資料)Fortune Global 500
拡大画像表示

(第2グループ)GAFA

 このグループに入るのは、時価総額が大きい企業である。アメリカの場合は、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)である。

 このリストは、本連載の第2回「日本の情報関連技術の遅れは『企業の閉鎖性』が原因だ」(2016年9月22日)で、図表1として示した(なお、このリストで第6位からあとは第1グループの企業だ)。

 これらは、すべてIT関係の企業であることに注意しよう。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 新しい経済成長の経路を探る

 日本が直面している課題は、実体経済をいかにして改善するかである。それは金融政策によって実現できるものではない。
 金融緩和に依存して長期的に衰退の道を辿っているヨーロッパ大陸諸国と日本。それに対して、新しい情報技術をつぎつぎに開発し、高度なサービス産業に特化して成長しつつあるアメリカとイギリス。両者の差は、イギリスのEU離脱によって、具体的な 形を取りつつある。
 日本はいま、基本的な成長のパタンを大きく変更しなければならない。これは、純粋な研究開発だけの問題ではない。企業の仕組みや社会全体の構造が重要な役割を果たす。

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