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社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

発表! 2010年「社会貢献10大ニュース」。
来年はいよいよ「社会貢献スター」が登場!?

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第34回】 2010年12月21日
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 年末のこの時期にメディアの定番ネタと言えば「今年の重大ニュース」(10大ニュース)。そして来年の大予測。というわけで、当連載でも今年を振り返りつつ、来年の社会貢献の動向を考えてみたい。筆者の独断と偏見で選び、順位をつけているので異論・反論もあるかと思うが、細かいことは気にせずご笑覧いただきたい。

初めて明らかになった
日本の寄付市場の規模

 1位は、「日本初の寄付白書の発行」。

 昨日(12月20日)に、日本ファンドレイジング協会から発行されたが、これがなぜ1位なのかというと、この白書によって初めて、日本の寄付市場の全体像が見えたからだ。どのようなビジネスでも、市場の把握は基本中の基本。しかし、日本のソーシャル・ビジネス業界では、その中核となる寄付市場すらハッキリと把握できていなかった。NPOも、市場の全体像がまったく分からないままソーシャル・ビジネス、ファンドレイジングを行なっていたわけだ。これでは市場を、まともに活性化できるわけがない。

 そんな状況を打破すべく、日本ファンドレイジング協会が大規模な調査を実施。全国の20~69歳の男女を対象に、インターネット調査。標本数約1万4000、うち有効回答数約5000。回収率は約38%である(実施時期は2010年3月)。これまで、日本の寄付市場は概ね2000億円から3000億円くらいと言われていた。ところが今回の調査で明らかになった日本の寄附市場は1兆円である!

 同白書によれば、個人寄付が約5500億円。法人寄付が約5000億円。合計で約1兆円となる。ちなみにアメリカの個人寄附は約2300億ドル(約18兆円)、イギリスは99億ポンド(約1兆3000億円)である。

 1兆円という市場はどの程度のものか。まず居酒屋業界。大手チェーンから個人経営店まで、全国いたるところに居酒屋があるが、この業界がざっと1兆円である。SuicaやEdyなど、電子マネー業界も2008年にようやく1兆円を突破したらしい。なにかと派手に見える音楽業界では、音楽ソフト(CDやDVDなど)の生産金額は2009年で約3100億円。ミリオン・セラーを連発した1998年でも約6000億円である(日本レコード協会資料による)。

 これらと比較して考えると、寄附市場1兆円というのはけっして小さくはない。これだけの規模の市場があるわけだから、自立可能なソーシャル・ビジネスがいくらでも構築できるはずである。単純にはたとえられないが、街で見かける居酒屋の数だけ、自立可能なNPOがあってもおかしくないという理屈だ。社会セクターも今まで以上に奮起することだろう。

 ちなみに、2009年に寄附を行なった人の平均寄付額は年間約1万4000円。この数字が明らかになっただけでも、寄附集めのプランニングには大いに役立つはずだ。ファンドレイジングの可能性を大きく広げたという意味から、同白書の発行を第1位とした。この「寄付白書2010」は日本ファンドレイジング協会のウェブサイトから購入可能だ。

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竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

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